≪内容≫
壮絶な海外出産、全く働かない同僚達、衝撃の突き放し系サービスetc.国際結婚で渡英した40歳の大阪女が、テキトーでマイペースで心温かいイギリス人に囲まれ、逆境を爆笑しながら乗り越える!人気ブログ待望の書籍化!
なるほど働かないイギリス人たち。
アジア人差別もあるようですが、義父母のあたたかさに涙ぐみました。
自分で吸引
先生は「今日は私が歯石を取るけど、助手がいないから、あなた自分のタイミングで吸引して」と言い、唾液を吸引する管を手渡された。
先生は「私、ガンガン行くから、私の邪魔にならないように吸引してよ!」と言う。
了解も何もないまま、先生は「レッツゴー!!」と言い、ガンガン歯石を取りはじめた。
自分で吸引てwwww
無理w絶対無理www
私は結構歯医者に行く方だとおもうのですが、歯石取りって一人で吸引も歯石取りもやっているので、基本一人だと思ってたんですが違うんですかね?
よく海外に住んだことがある人が「日本のサービスが一番!」って言いますが、この話を聞いちゃうと納得。
日本だと好き勝手に病院を選べるけど、イギリスだとその地区のホームドクターにまず診てもらうそうです。
出産も日本だと生まれたら血だらけの赤ちゃんを周りの人が拭いてくれて白い布に包まれて渡されるのが普通な気がしますけど、イギリスだと誰もやってくれないとのこと。
あと、妊娠による体重増加がすごいから赤ちゃんが大きくなっちゃって帝王切開が普通だとか。
日本では太りすぎると怒られちゃいますもんね。
・イギリスは肥満体国らしく、女性の服の平均サイズはXL。
・しかも糖尿病になったら医療費が全て無料!!
・ポテトは野菜。
・妊娠が分かった時点で100キロ前後の妊婦が半分以上。
・しかも「痩せなさい」「これ以上体重を増やしてはいけない」は差別になるから言えない。
衝撃的なイギリスの健康問題。
イギリスって・・・オシャンティーでスタイリッシュな国だと思っていたのに。
なんかちょっと違うみたい。笑
イギリス人の一週間
イギリス人は、月~金を必死で働かない文化である。
月曜日・・・土日の遊び疲れが残っているので、まぁ、午前中はゆっくりしてもいいのだ!!的な日であり、同僚と週末をどう過ごしたかの話に花が咲く日なので、これで1日が終わる。
火曜日・・・先週からためている仕事を、今日あたりに仕上げようか的な感じの日。
水曜日・・・今週の仕事も、そろそろ真面目にしようか的な日。
木曜日・・・週末をどう過ごすか、同僚達と話に花が咲いて1日を終え、夕方はスーパーに行く(木曜はレイトナイトショッピングといって、夜遅くまでスーパーが開いているので、皆この日に買い出しに行く)のでサッサと帰る。
金曜日・・・気分はもう週末。朝から仕事をちょっとして、午後は完全にウカレ気分。
こういうサイクルになっているから、信じられないペースで仕事が進むのである。
ふふふ。
面白すぎる。
私の感覚では仕事を目いっぱいしてこそ休日が輝くんですがね。
イギリスは違うようです。
なぜなら・・・労働は罰だから!!!
私たちだって常に必死に働いているわけではない。
疲れているときもカラ元気なときもある。
でも店員として服が落ちていたら拾ってハンガーにかける、お客さんが来たら声をかける・・・というのは「当たり前」の部類。
本書の著者が住む地区はイギリスの田舎地方とのこと。
何が大事かは人それぞれだけど、イギリスっていう大国の国民がこんなにゆる~く生きてるのがちょっと羨ましいなぁと思うのでした。
選ばれし社員たち
久々に職場に戻ると、休憩室に改めて貼られていた張り紙達・・・。
それは、「選ばれたあなた達、おめでとうございます。仕事ができるあなた達だから、できると信じてお願いします」とタイトルが書かれてある。
①トイレを使用する際は、ドアを閉めること。
②流すこと。
③トイレットペーパーが自分の番で終わったら、または終わりかけたら、必ず新しいのを入れて置くこと。
④使ったお皿やコップは、自分で洗うこと。
⑤冷蔵庫の中の、他人の食べ物には手をつけないこと。
以上、専務からのメッセージである。
①.②トイレ=ドアを閉めて、用を足して流して、流れたのを確認して出ること。
③トイレットペーパーは常に二段になっていて無くなったらガッシャンってすれば出てくるもの。じゃなければ後ろに積まれている。
④使ったお皿やコップ→捨てるか持ち帰る。
⑤他人のものに手をつける→泥棒
当たり前すぎて驚愕します。
しかも一般の社員ではなく選ばれた社員たちに向けてのメッセージ。
ペーパーに関しては、年々「持ち帰らないで!」って張り紙を見る機会が増えているので常備は難しいのかもしれませんが・・・。
自分の汚物は自分で流そうよ!!!
てかドア閉めるのはふつうううううう!!!!
食とか、靴を脱がないとか、労働は罰とか・・・まぁそうかぁ・・・と思える。
でもトイレ事情はダメでしょう!!と思う。笑
私のイギリスに対するキラキラした紳士の国・・・という理想がガラガラと崩れていく・・・。
まぁ男性に関してはほぼ書いていないので分かりませんが、女性強し!ですね。
著者がイギリスで暮らすことになり、義父母に同居を頼んだ話はとても切なくなりました。
日本でだって、住み慣れた土地から離れ親戚のいない県に行くのは不安でしょう。
子育てをするのに頼れる人がいないのは心細い。
しかも義父母と上手くやっていけるかなんて分からないし、でも頼れるのは義父母だけ。さらにいえば会話も上手に出来ない上での国際結婚です。
アジア人差別も多い中、義父母が優しくしてくれるとも限らない。
文化も考え方も料理も何もかもが違う場所で、ホームシックになるのも当然です。
しかし、自分だけが辛いんじゃないんだと夫に悲しみを訴えるだけじゃなく、会話をして改善しようとする著者。
さらに義父が庭に著者が寂しくならないようにと日本庭園を作ってくれたり、義母がクリスマスプレゼントにビニールハウスをプレゼントしてくれたりっていうお話はとても胸が温かくなりました。
見知らぬ人からアジア人差別を受けたことも書かれています。
本書は大阪弁で暗くなりすぎないように笑えるように書かれていますが、とても悲しいことややりきれないこと、納得できないこと、苦しんだことはもっともっともーーーーーっとあっただろうなぁって思います。
ひとつ、クリスマスのお話で気になるものがありました。
カーライルで仲良くしている友人は、毎年クリスマスになるとパンやケーキ、ジャムやチーズを届けてくれる。
全て手作りである。
農家の家庭に育った彼女は、「これが昔からの本当のクリスマスだからね」と言う。
日頃貧しくても、クリスマスという1日だけは食事にありつき、誰もが幸福を感じる時間を共有しようというのが本来の意味だと彼女は教えてくれた。
だから今も、送り合うのは香水などではなく、食べ物なんだと言う。
恋人たちはクリスマスにプレゼントを贈りあう。
出来合いの惣菜やら、ケンタッキーやらを買ったり、レストランに行ったり。
男性はネックレスやら指輪やらを買い、女性は財布やら時計やらを買う。
デパ地下のクリスマスケーキを予約して、聖なる夜を過ごす。
そこに自分たちで作り上げたものは何一つない。
日頃、一生懸命働き、疲れて自炊など丁寧に生きることは難しい。
だからこそクリスマスは何か二人で作り上げるようなことが出来たらいいなぁと思った。
誰かの労働の証で祝いあうのではなく、二人で何かを作るっていうことこそ幸福を感じる時間の共有になる気がするから。
イギリスっておもしろい。