≪内容≫
あの古典の名作が、スタイリッシュでワイルドな現代劇としてよみがえった! 不良っぽさと純粋さを兼ね備えた“最もセクシーなロミオ"。憂いを含んだブルーの眼差しは、恋に生き、恋に死んだ悲恋物語を美しく彩る──。
内容は大体こちらに書いたのとほとんど同じ。
ただ、この話を映像にするとなると相当なビジュアルが要求されると思うのですが、さすがのレオ様、文句なしにかっこいい。
主役は人間ではない
小説の方で書かれていたのが、本作の主人公はロミオとジュリエットではなく運命なのだと。それが映像で見るとよく分かります。
びっくりするくらい上手くいかないんです、あとちょっとの所で。
この劇の主題は「違った星の下に生れた」男女の恋である。運命は二人を結びつけ、歓喜の絶頂に押し上げた瞬間、直ちにそれが遂げられぬ恋であることを覺(さと)らしめ、忽ち破滅の道へと追い込む。
二人にとって、恋も不意打ちなら、そこからの轉落(てんらく)も不意打ちであり、初めから終わりまで偶然と事故と行き違いの連続である。
色んなことがいきなりすぎて急展開の連続です。
ロミオとジュリエットは恋に落ちただけで、周りがぎゃーぎゃーいろいろと騒ぐせいで死にます。周りの人々を黙らせるために死んだといっても過言ではない気がします。
ゆえに、二人は「一緒にいたい」以外の感情を持っていません。憎しみも、自分の家のことも、友達のことも、考えてはいるのでしょうが、前面には出てきません。周りが囃したて、事件を起こすのです。
そういった点で、二人が二人の感情だけで生きていくことが出来なかった悲劇という風に思います。
現代版という割に台詞が忠実な部分が多いので、やはり古典という感じはします。ただ、両家の争いをマフィア同士の抗争という設定変更しているので、アロハシャツだったり銃がバンバン出てくるし、ガソリンスタンドでの撃ち合いとか、派手にやらかしちゃってます。
パーティーも原作の貴族たちのパーティというより、マフィアの仮装パーティーになっていて目が楽しい。
狂犬ティボルトもこの通り。両隣の骸骨も仮装パーティのレベル越えてるw
マフィアにしたらロミオすっごい大人しいし、モンタギュー家の父母ほとんど出てこないので、なんか不良っぽさと純粋さがイマイチ伝わってこなかった。不良っぽいのは周りだけで、本人からしたら生まれた家を選べない故に性に合っていなくて辛かったのかもしれません。
たぶん知らない大人はいないんじゃないかというほど名の知れた名作。なぜ名作なのかというと、普遍的に見えて主役が「運命」そのものという型破りなものだからなんじゃないかと思います。
そう考えるとやっぱりシェイクスピア天才すぎるw