≪内容≫
新海誠監督ほか気鋭のスタッフが集結し、社会現象を巻き起こした大ヒット作。夢の中で入れ替わる少年と少女の恋と運命を圧倒的な映像美とスケールで描き出す。主題歌を含む音楽を人気ロックバンド・RADWIMPSが担当。
秒速5センチメートル・・・!涙
※この記事は作品の感想だけで解説等しておりません。ちょっとスピリチュアルな話になってます。
私達は残像を追いかけながら生きている
探しているのが誰か、なのか、どこか、なのか、それともただ単に就職先なのか自分でもよく分からない
ずっと何かを誰かを探しているような気がする
いわずとしれた名作であるこの作品は、主人公の瀧くんと、ヒロインの三葉が時空を超えて出会う話です。かたや過去に、かたや未来に向かっていく途中で出会う。
そういったSF要素を含んだ青春物語で、見るだけで分かるような構成になっています。(すごいよね)
んで、この作品のテーマというか新海監督のテーマなのかもしれないんですが「秒速5センチメートル」もそうなんだけど、何かを探す物語なんです。
この物語の主人公たちは高校生でまだまだ若いんですけれども、やっぱり年を重ねるごとに「絶対に忘れない」と誓ったことだって薄れていくんです。んで忘れちゃったことって思いだすのが非常に難しいんですね。それが大切な人の名前だとしても。
んで、我々の日常はSFでもなんでもないけど忘却っていうのはすごく身近なものですよね。
忘れるっていうのは、意識的な時間に覚えたことではなくて無意識の時に出会ったこと。分かりやすい例だと、夢って起きた瞬間パァーって消えちゃうじゃないですか。その夢が一本のディズニー映画ばりのエンタメだったとしても。自分が主役のプリンセスだったとしても。
もしかしたらその夢の中で出会った人とすごく大切な約束をしていたかもしれないし、そこに何か現実世界の大切なものを置き忘れてしまったかもしれない。
でも目覚めたらそんなことはおかまいなしに消えてしまう。だから、瀧くんの言うように"それ"が何かは分からないけれど何かを探している、という奇妙な空白が生まれるんだと思うのです。
↑度肝抜かれたシーン。美しすぎて部屋に飾りたい。
たぶん、新海監督の作品が多くの人の心を動かすのは、そういう残滓が多くの人の心にあって、普段は日々の生活に追われて忘れていてもふとしたときに燻りだす感覚を知っているからなんじゃないか、と思う。
家にいるのに「帰りたい」と思ったり、大勢の人といても、恋人や家族といても「一人ぼっち」って思うことあるでしょう?あの不思議な感覚。
もしかしたら私たちにも忘れてしまっている"何か"があって、その"何か"は見つけてもらう時を待っているかもしれないし、私たちが誰かにとっての"何か"かもしれない。だから「運命」って言葉やソウルメイトって言葉があるのかな。
もしかしたらその相手はもう死んでる人かもしれないし、自分が死んだあとに生まれる人かもしれない。
そう考えると人生って個人的なことだけ考えて生きるには大きすぎるよな、と思う今日この頃です。
こんなにテーマが盛りこんであるのに107分に収める構成すごすぎる。