
≪内容≫
父が死んで、鎌倉の家に、腹違いの妹がやってきました-。海の見える街を舞台に四姉妹が絆を紡いでいく。深く心に響く、家族の物語。
BANANAFISHも良かったけど、これもすごく良かった・・・。
猛烈に気になる作家、吉田秋生さん・・・。ていうか監督も「そして、父になる」がすごく良かったから期待して観たけど、ほんと・・・裏切らない・・・。泣ける。
子供が親を許すまで
開始10分にして、長女の幸(綾瀬はるか)の「これは大人の仕事です」の一言で引き込まれてしまった。たったこれだけの言葉で、幸が子供の頃にどれだけ大人の仕事を引き受けてきたか、そしてすず(広瀬すず)がどれだけ母親の代わりに引き受けてきたかが伝わってくる。
すずにとってたった一人の家族だった父親が亡くなり、すずに頼りっぱなしの継母と小さな弟と三人で暮らす未来に不安を感じた幸は、すずに鎌倉に来て一緒に暮らさないかと誘う。
幸は看護師なので、父親の介護に大変さを痛感しており、それをこなしてくれた小さなしっかり者のすずにきちんと子ども時代を過ごさせてあげたかったのだ。
この映画、長女と次女のケンカ内容が姉妹あるあるすぎてそこも面白い。
まず、このシーンは姉の服を次女が勝手に着たシーンなんですが、セリフが
「あたしだってまだ一度もきてないんだからダメ」
「ちょっと貸してくれたっていいじゃん」
「脱ぎなさいよ」
「お姉ちゃんこのまえあたしのブーツ履いたじゃないよ」
「いつの話よ、それあんたには似合わないわよ」
この太字にしたやつめっちゃ言うし言われるwwwww
あとこの無言の
(はぁ?お前何言ってんだよ正気か・・・?)
みたいなやり取りあるあるwww
父親が出ていったことが原因で母親とも疎遠になった幸たちだったが、次女と三女はまだ幼かったし、何より幸という自分たちと同じ子どもが親と自分たちの間にいたことでショックは軽かった。
しかし幸は違う。
その感情を理解というか、身を持って経験していたのがすずだった。
まだ若いすずは、時折本音をポロっと漏らす。それが、幸にとっては子供の頃の自分のようで、すずに寄り添うことで、子供のときの自分に寄り添おうとしているのではないかと思う。
かといって、二人だけの物語というわけでもなく、次女と三女も丁寧に描かれていて、特に次女の佳乃(長澤まさみ)は、幸といちばんぶつかりあうけど、幸に唯一ぶつかっていけるのが佳乃だからなんだろうなぁ、と思う。
なんだかんだお姉ちゃんに幸せになってもらいたくて色々言っちゃうのは、二人似ている。
三女の千佳(夏帆)は、すずと二人の姉の丁度中間にいて橋渡し的な役目を担っている。
すずと距離が近く、すずが気を使っていえずにいたことを聞いても何でもないことのように自然に聞くことのできるTHE☆聞き上手である。
こういう人って学生時代も会社でもいるとほんとうに助かる。
四人はそれぞれ親の都合なり死去なりで、心にわだかまりを持ち続けていたが、四人で暮らすことによって一つの答えに辿り着くことになる。
いやほんと・・・すごく良かった。言葉にならない。