≪内容≫
ペンシルベニア州で暮らすサラは、愛する夫との間に男の子を授かる。マイルズと名付けられたその子どもは天才的な知能に恵まれていたが、成長するにつれて異常な言動が目立つようになっていく。息子を心配したサラは、彼を専門家の元へ連れて行くが……。
この映画、日本では劇場公開されていなかったみたいなので、こういう映画に出会えるのがほんとVODの良さだな・・・と実感。パッケージから気になるけれどレビューのひとつに「エスター」の文字を発見したので即観ることを決めました。
これはキリスト教が多いアメリカではもしかすると異色のホラーかも。欧米のホラーって悪魔系かサイコパスがおおいんですが、本作は一味違います。
悪魔ではない何か
サラが産んだ子・マイルズは小さい頃から博識で天才と呼び声高く、サラ夫妻にとって自慢の息子だった。しかし、8歳を過ぎた頃からマイルズの周りで血が流れるようになる。マイルズの不審な寝言を録音したサラは専門医のドアを叩く。そこで知らされたのは、マイルズの寝言はハンガリー語でルーマニア国境付近で使われる方言ということだった。
もちろんここはアメリカで夫妻もアメリカ人であり、ハンガリー語などと縁があるわけもない。更に、寝言の内容は「あばずれ」や「死ぬがいい」などと不穏なものだったが、マイルズはこの夢を悪夢ではなくいい夢だったとサラに伝えていた。
この時点で欧米ならではのエクソシスト系では!?
と思ったのもつかの間、専門医が口にしたのは「生まれ変わり」という概念についてでした。そう、マイルズにはほかの誰かの魂が生まれ変わりとして入っているのだと。
サラと父親は最初は「そんなバカな話ってある?」くらいに一蹴していましたが、二人の寝室につけられていた盗聴器や飼い犬の遺骸が発見されると一変して専門医の元を尋ねた。
専門医いわく魂が生まれ変わるのは、やり残したことがあるからだと言う。そしてそのやり残したことを終えれば消えるはずだ・・・と。
サラは愛する息子を取り戻すため、息子の中にいるもうひとりの魂のやり残したことを探り当てた。しかし、そのやり残したことというのはあまりにも残酷なことだった。
アジア系の人たちならたぶんそんなに驚かないし、祈祷師を呼ぶとか、とりあえず神社に行くとかそういう発展になると思われます。こういうケースの漫画とかライトノベルとか多いと思うのでね。これぬーべーの世界だったら鬼の手で一話完結してる気がしてならない。
ラストは母親として選択肢に入れてしまう気持ちも全く分からないわけではないけれど、そんなことしたらまた「やり残して生まれ変わる魂」が生まれるだけで恐怖の連鎖は終わらないし、根本的な解決にはならない。でも、実際自分の息子がこんなことに巻き込まれてしまったら根本的な解決なんていらなくて自分の息子さえとにかく帰ってくればいいと思ってしまうかもしれませんね・・・。
この映画のラストがエスターの始まりと考えても違和感がないかなぁというくらい結構シンクロしてました。