《内容》
空前のコギャルブームに沸いた90年代、そんな時代に青春を謳歌した女子高生の仲良しグループ「サニー」のメンバー6人は、22年の時を経てそれぞれ問題を抱える大人になっていた。専業主婦の奈美は、久しぶりにかつての親友・芹香と再会するが、彼女は末期ガンにおかされていた。「死ぬ前にもう一度だけ、みんなに会いたい」。芹香の願いを叶えるため、奈美が動き出す。かつての仲間は、無事、芹香の前に再集結できるのか…。
人間関係って薄ければ薄いほど長持ちするというのが持論です。だって、うすーくあさーく適当にやって、年一回の忘年会とかで集合するのを10年続けるのと、毎日毎日一緒にいていやなことも一緒に見てぶつかり合ってっていうのは全然違うじゃないですか。
人生の中、ある一瞬、友達と自分の境界線が限りなく薄くなった時があるから離れられる。
女同士の友情って濃いからトラブるし、文句もあると私は思う。
万能感と可能性に溢れる青春時代
あんなに毎日一緒にいて
学校でも外でもいつもどこでもいっしょで
みんなでカラオケやって
プリクラとって
ファミレスいって
バカみたいに笑って
なんであんなに笑ってたんだろうね?私たち
人の数ほど青春の形があって、遊ぶことが楽しい人もいれば部活に打ち込むことが楽しい人、勉強や習い事、とにかく他人には決めることのできない「青春」という瞬間が人にはある。
内気な主人公・奈美は偶然旧友の芹香と出会う。彼女がリーダーだったグループに転校生だった奈美はいれてもらい、いつもみんなで一緒にいた。そんな楽しかった記憶が奈美の脳裏に蘇ったが、芹香の口から出たのは「末期がん」という言葉だった。
最後にもう一度みんなに会いたいという芹香の願いを叶えるため、奈美は高校時代のグループ「SUNNY」の仲間たちを探すこととなる。
みんな大人になってそれぞれの人生を歩んでいた。だけど、みんなが揃えば過去の自分に逆戻り。大人の顔から子供の顔へ、楽しかったのは若かったからだけじゃなくて、みんなのことが好きだったから。
だけど、唯一一人だけ見つからなかった。
みんなに会わなくなったきっかけの一人の奈々が見つからないのだった。
時代は女子高生を中心に回っていた。リーマン狩りにブルセラショップ、ルーズソックス・金髪は当たり前。そんな違法すれすれの場所も無敵だったからこそ、彼女たちの近くにはいつも落とし穴があった。
芹香は、自分の仲間のクスリや売春を許さなかった。だけど、人は止められない。芹香の元仲間でヤク中の少女は常に芹香を憎んでいた。仲間から外した芹香を。
2ちゃんねる創始者のひろゆきさんの有名な言葉
うそはうそであると見抜ける人でないと(掲示板を使うのは)難しい
と似てるのですが、間違ってることは間違ってると気付ける人じゃないと自由って途端に怖いものになってしまうんですね。
それを知ってるから、大人は子供をルールとか校則で縛り付け、縛り付けることで守ろうとする。
我々は本質的に子供だ。
大人になったから大人になるんじゃなくて、大人の役割を演じてるだけ。楽しいだけの責任もなにもない時代に戻りたいときもある。だけど、一人では戻れない。あのときの自分を覚えてる誰かがいないと。
そして大人になってやっと許せることもある。やっと再会できる準備が整うこともある。
血と雨と救急車と涙で終わった青春が、もう一度やってくる。だけど、それは前と同じ形ではありえない。今ここには責任があった。
なんであんなに楽しくてバカみたいにプリクラ撮ってたんだろって私も思う。今見返しても誰?って人がいたり、そんな仲良い記憶ないのに満面の笑みで映ってたりして、ほんといつの時代も女子高生は最強だ。