《内容》
岡崎京子の人気漫画を、二階堂ふみと吉沢亮の共演で映画化した青春ドラマ。彼氏がいじめていた山田を助けた若草ハルナは、夜の河原へ誘われ放置された死体を目にする。さらに後輩でモデルのこずえも現れ、3人は歪んだ絆で結ばれていく。
いや暗いわ・・・
びっくりするくらいダークな内容でした。SUNNYが青春YEAH!って感じならこっちはもう戦いです。学生のうちは戦場にずーーっと駆り出されてる状態なんですが、それが如実に現れてる映画。
子供はみんな兵士で、この世は生き残りゲームで。
もうずっと、藻屑は砂糖菓子の弾丸を、あたしは実弾を、心許ない、威力の少ない銃に詰めてぽこぽこ撃ち続けているけれど、まったくなんにも倒せそうにない。
子供はみんな兵士で、この世は生き残りゲームで。そして。
藻屑はどうなってしまうんだろう・・・?
肝臓を悪くして死んだ友達を思い出す。
そいつがいつも言っていたこと。
ああ俺は思うけど本当はいつも痛いんだ痛くない時だってただ忘れてるだけなんだ、痛いってことを忘れてるだけさ俺の腹におできできてるからってそのせいじゃないよ。
誰だっていつも痛いのさ。
多くの作家が学生時代特有の苦しみ、行き場のない怒りを手を変え品を変え表現していると思うのですが、この作品もその一つですね。
この街は
悪疫のときにあって
僕らの短い永遠を知っていた
学生時代、学校だけが今だけが世界のように思えて、何か辛いことがあってもじっと耐えることは難しかった。やられたらやり返さないと殺されちゃうんじゃないかって思うくらい藻掻いていないと息ができないような苦しみが確かにあった。
主人公・若草ハルナは周りと要領よく合わせて生きていて、その周りは苦しみながら生きている。モデルのこずえは過食嘔吐を繰り返し、いじめられっこの山田くんはゲイのカモフラージュに田島さんと付き合う。田島さんは山田君と仲の良いハルナを憎み、ハルナの彼氏の観音崎はクスリを使ってルミと情事にいそしむ。ルミは援助交際をしてルミの姉は同人誌を書いている。
ハルナはヘビースモーカーでちょっと冷めてること以外特に社会的な悪に手を染めることはない。その正しさが周りの少しずつ狂っていく人たちを引き付け、彼女たちが落ちないようにギリギリのラインで引き留めていたように思う。
感じることだと思う
暖かいものを暖かいとか
冷たいものを冷たいとか感じることだと思う
だけど、田島カンナはハルナの家に火をつけようとして焼身自殺しちゃうし、ルミは観音崎の子供を身ごもって観音崎に殺されそうになって、何とか家に帰ったら姉にカッターでズタズタにされた。
学生っていうのはすごく危険だ。
場所から肉体は逃げられないから、心だけどこかに逃がそうとする。何も感じないようになれば傷つくことも心が乱れることも絶望することも何もないから。
だから今大人になった人たちはこの戦いを生き抜いた生き残りなんだっていつも思ってる。