深夜図書

書評と映画評が主な雑記ブログ。不定期に23:30更新しています。独断と偏見、ネタバレ必至ですので、お気をつけ下さいまし。なお、ブログ内の人物名は敬称略となっております。

【映画】累 -かさね-~虚像を実像に、偽物を本物に。~

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《内容》

母ゆずりの“天才的な演技力”を持つ累と、“恵まれた美しさ”を持つニナ。運命に導かれるように出会い、“美貌”と“才能”という、お互いの欲望が一致した二人は、口紅の力を使って顔を入れ替える決断をする。累の“演技力”とニナの“美しさ”。どちらも兼ね備えた“完璧な女優”丹沢ニナは、一躍脚光を浴び始め、二人の欲求は満たされていくが、やがて二人の協力関係が崩れはじめ、欺き合いへと変貌を遂げる―。

 

 昔試し読みしたことがあって、面白いなぁ~って思ってたら映画化されてました。

累(1) (イブニングコミックス)

累(1) (イブニングコミックス)

 

 試し読み↓

sokuyomi.jp

 

 端的に言って面白かったです。さくさく進むしわかりやすいので、原作知らなくても楽しいと思いますし、あっという間だと思います。

 

人は見た目が100%

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 悲しいかな、それが現実だと私は思う。たぶんそう思ってる人が多いから美容業界は盛り上がるのだし、プチ整形なんて言葉ができるくらい整形は身近になった。

 

 さて、本作は大女優の娘であるはずの累は母譲りの演劇の才を持ちながら顔が理由でいじめられてきた。そんなあるとき、母を知る男から、母の形見である口紅の力を使って女優にならないかと話を持ち掛けられる。

 

 その口紅とは、自分の唇に塗った後相手とキスすると相手と顔を交換することができた。演技力はないけど容姿端麗な女優。演技力は抜群だけど容姿が残念な累。その二人を掛け合わせて大女優を生む。

 そんな企画に累は巻き込まれていく。

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 最初はその行いに戸惑う累だったが、演技力のおかげでどんどん地位が高まっていくにつれ不安になっていったのは容姿端麗な女優・ニナだった。

 初めは、累の演技力を奪うつもりだったのにだんだん自分が奪われていってると気付いたが、累は睡眠薬を使いニナを眠らせ、好きなように唇を奪い顔を奪っていった。

 

 ニナはそんな累の行動に気づき、ある策略を立てる。たとえ、自分が女優じゃなくなったとしてもニナにとって自分の顔を取り返す決死の作戦であった。

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  累は成長しあの「サロメ」の舞台の主演をゲット。かの有名な7つのヴェールの踊りを見事に披露し、楽屋へとはける。そしてそこには、家で眠っているはずのニナがいた。。。

サロメ (岩波文庫)

サロメ (岩波文庫)

  • 作者:ワイルド
  • 発売日: 2000/05/16
  • メディア: 文庫
 

「サロメ/オスカー・ワイルド」の記事を読む。

 

 他人の顔で自信をつけていった累にとって、ニナはすでになくてはならない存在になっていた。皮肉にも、顔さえよければこんなに世界は変わるのか、を体現してる内容で、なんとなく悲しい気持ちになりました。

累

  • メディア: Prime Video
 

 こういうとき誰にも会いたくなくなるわ。