≪内容≫
強烈な個性と個性がぶつかりあう時、どんな火花が飛び散るか――それがこの本の狙いです。同時代を代表する2人が、カタカナ文字の外来語をテーマにショートショートを競作すると、こんな素敵な世界があらわれました。さあ、2種類の原酒が溶けあってできた微妙なカクテルの酔い心地をじっくりとどうぞ。
これは、物語ではないですね。
なんでしょう、文章?
「夢で会いましょう」との題なので、なるほど夢の中での話なのかも?
さあ、2種類の原酒が溶けあってできた微妙なカクテルの酔い心地をじっくりとどうぞ。
とは、なるほど。
ジャングル・ブック
「愛なんかで腹がいっぱいになるものかい」とクモザルは言った。
ジャングル・ブックと題された項目はこの一言のみです。
まぁこういう本でした。
一言で終わる話もあれば三ページに渡る話もある。
この本を手に取る人は何を思って手に取るんだろう?
私は村上春樹の作品は全部手を付けようという魂胆だったわけで、私と同じ考えの人、もしくは糸井重里さんのファンの方、もしくは両方のファンの方・・・などではないだろうか。
本に何か教訓や希望を求める人には全く持って向いていない本です。
これは二人の自由な発想、遊び心を楽しむ(?)本だと思いました。
なるほど、これはほろ酔い気分、もしくはお酒を飲んで何だか感情が高ぶって眠れないときなどに読むと
「ふん、へえ、こんなこと考えるんだなぁ、笑えるねぇ」と楽しくなれる本です。たぶん。
コーヒー・カップ
人生でいちばんせつない時間、それは女の子をタクシーに乗せて家に帰したあとの一時間ばかりかもしれない。
本書の中で一番好きな小話。
作者は村上春樹。
ベッドをともにしていた女の子が帰った部屋でアンニュイな気持ちになる主人公。
しかし小腹が空いてご飯に納豆をかけると、そこから納豆ご飯に合うおかずがどんどん浮かんできて、料理をし始める。
そこまでして食べ終わると、アンニュイな気持ちは綺麗さっぱり消え失せている。
という話です。
これ分かるわ~と思いました。
しかし、これ分かっちゃうと冷たい人とか愛がないみたいに思われちゃう気がします。
恋人と一緒にいる時間は楽しい。
離れると寂しい。
だけど、現実はそんなこと関係ない。
お腹は空くし、眠くなるし、朝日が昇れば仕事に行くし。
切なさって虹みたいなものだと思うんです。
瞬間的に私たちの前に姿を現して、ちょっと目を離したすきに消えてしまうもの。
だから切ないっていいんだなと思うのです。
切なさがずーーーっと継続するものだったら、悲しみになってしまう気がします。
デート
いろんなスタイルのデートを重ねてきた僕たちですが、今回の企画ばかりは賛成しかねているのです。
「今後一切逢わないでいるっていう、長時間プレイはどうかしらね」
僕、それほどの大企画なら、度重なる打ち合わせが必要だと思うんですけど。
作者は糸井重里。
こういう話が多いです。二人とも。
お~センスあるなぁ、みたいな。
私は糸井重里さんについては、ほぼ日手帳の人っていう認識しかありませんでした。
糸井重里、ことしの思い。 - 「ほぼ日手帳2018」よこく - ほぼ日刊イトイ新聞
この人すっごい多趣味というか多才というか、すごいエネルギッシュな人だなぁという印象を持ちました。
村上春樹もそうですし、誰だってそうかもしれないんですが、皆何かしらやってますよね。小説家だから小説しか書かないとか、野球選手だから野球しかしないとかじゃなくて、実績がある人ほど多趣味で多才な気がする。
だから人間みんな平等に1日24時間なわけだけど、その使い方次第でどうとでもなるんだな、きっと。
色んなものが欲しいし、色んなことをやりたいのに、眠くて集中できなくて、そういうとき、もうどうしようもないくらい自分に腹が立つ。
たくさん寝たのに眠くって、休日まるごと無駄にしそうなとき、他の人はこの時間に有意義なことしているんだろうな~と思ってしまう。
かといって、無理に起きて無理に集中しようとしてもいい結果は得られないのだけど。
でも無理矢理に捻りだしたものでも、やっている内に「あれ?けっこうノってきたぞ」ってなるときもあるから、とりあえず眠かろうが、やる気なかろうが、手をつけてみるってことを最近しています。
1日何もしなかったら、何も変わらないけど、何かしたら何か変わる。 食べすぎたら太るように。 気を付けよう。