≪内容≫
大学生キョヌは、電車内で酔っぱらいの美女を介抱する。翌日、その彼女に呼び出されたキョヌだが、お礼を言われるどころか彼女の横暴な言動や態度にびっくり。しかし、名前も明かさない彼女の心になにか悩みがあると気づいた彼は、言われるがままに付き合おうと決心する。
韓国で、インターネットの掲示板に載ったエピソードを基に映画化されたというユニークな一作。レストランのメニューを指示されるなんてのは序の口で、気に入らなければ殴る、川に突き落とすなど「彼女」の行動は極端だが、正義漢の一面もあり、見ていて妙にすがすがしい。2人の恋の行方が笑いを誘いながら、後半は意外な感動ストーリーへなだれこむのも本作の魅力。主演2人もチャーミングで、男、女、それぞれの立場に隠された恋愛願望が引き出され、胸にズキッとくる。(斉藤博昭)
名前だけでも聞いたことある人がほとんどではないでしょうか。
流行りましたよね~猟奇的な彼女。韓国映画って女も男もビンタ炸裂で、そこんとこ邦画ではあまり出会いませんね。
好きは痛くて甘い
ひょんなことから猟奇的な彼女と関係することになっちゃったヘタレな大学生キョヌ。小さい頃は女の子として育てられたため、性格はやさしく大人しめ。酔いつぶれてばっかりなこの子が本作のヒロイン猟奇的な彼女。
基本的にぶん殴る。
キョヌだろうが、誰だろうが、とかくいちゃもんつける。
他人の話を盗み聞き(というか耳に入った)、注意して店から追い出すイケイケドンドンっぷりにキョヌどん引き。
まるで自殺行為みたいに他人につっかかってしまう彼女のことを引きながらも放っておけないキョヌは、恋心とは違う部分で彼女の面倒をみることになるのです。
あまりに常軌を逸した彼女の暴力的なふるまいは、誰からも愛されたくなくて、だけど誰かに止めてほしそうな、自分では止められない何かに突き動かされているような気がして、キョヌはどんな暴言にも暴力にもワガママにも、文句を言いながら付き合ってしまいます。
そんなキョヌの優しさに包まれて彼女は表には出さないけれど、ずっと自分だけの胸に隠していた悲しみと向き合う道を選びます。
それは決して一人では見つけられなかった道であり、努力無くしては辿り着けないゴールへと繋がっていたのでした。
破壊行為とか破壊衝動の裏側って絶対に満たされない"何か"があって、その"何か"が分からなくて苦しんでいる姿なんだよな。胃腸炎でお腹を抱えてもだえ苦しむのと似てる。薬もなければ医者にも見つけられない"何か"を探す物語。