≪内容≫
ある男に娘を人質に取られ、誘拐殺人犯の身代わりとしてイ・クムジャは13年を刑務所で過ごす。優しく美しい彼女は「親切なクムジャさん」と慕われていたが、全ては復讐のためだった。刑期を終え、復讐鬼と化したクムジャは娘と再会し、先に出所した仲間の協力でついに男を手中に収め、復讐を遂げようとした瞬間、驚愕の事実を知る。「親切なクムジャさん」の本領発揮は、そこからが始まりだった…。
何これ韓国版「嫌われ松子の一生」!?
と思った。なんか似てません?
この映画に限らずですけど、やっぱり韓国と日本って外見は似てるけど、考え方というか視点は全然違うのかなぁ・・・と思いました。この内容はたぶん日本では生まれないんじゃないですかねぇ・・・。
救いは宅配不可
内容欄にも書いてあるんですが、これ「復讐」の話なんですね。
んで、タイトルにもなってる"親切なクムジャさん"が、自己の復讐のために親切を重ね、その代価としてのお礼で犯人にたどり着く・・・という筋なのです。
クムジャさんは、服役中に自分より早く出所する人達の助けとなり、時にはその人を助けるために人を殺し、恩を重ねてきた。
そのため、魔女クムジャという通り名も彼女にはついた。
出所したクムジャは魔女となり、娑婆に戻って来たのだった。
さて、ここで18歳のクムジャさんを見てみよう。
なんて美少女だ!
クムジャさんが犯人に脅され無実の罪で13年の刑罰を受けたきっかけは彼女が18歳のときの一本の電話からだった。
なんと妊娠してしまったクムジャさんは先生にその相談をしてしまう。
この毛むくじゃらティーチャーに!
先生はクムジャの相談を逆手にとり、クムジャの娘を誘拐し、自分が誘拐し殺した子供の罪をかぶれと脅すのでした。
ていうかそもそも教え子に「セクシーだね」とかいう先生に頼ったらあかんやろクムジャ!人に親切にできるほど頭がいいのになぜ!ウェ!?
犯人を知りながら捕まったクムジャは出所後、親切にしてやった仲間たちの協力の元ペク先生を拉致することに成功。
ペク先生が殺した四人の子供たちの夫婦を廃校に集め、先生が撮影していた当日の犯行録画を再生するクムジャ。わが子の最後に失神する親も出る中、クムジャは親たちの恨み辛みを煽り、全員でペク先生を殺させるように仕向ける。
返り血で汚れないようにビニールをかぶって、時には一人で、時には団体で犯人に一撃をくらわせることを決めた遺族たち。
ペク先生は遺族たちによって処刑されていきます。
これなら死刑になって絞首刑になったり毒殺や銃殺になった方が楽だったでしょう。最後の一人になるまで、遺族たちは死なない程度にペク先生の血を流して行きます。
ペク先生を殺し、クムジャは自分だけでなく遺族全員の無念をはらしたつもりだった。だけど、復讐を終えた彼女の前には、自分が殺したとされたウォンモが現れるのだった。
最後のシーンは冒頭のシーンと重なります。
冒頭のシーンで出された白いものをクムジャは拒みますが、クムジャの娘はそれを食べました。
クムジャはそれを受け取る側から与える側へとなりました。
クムジャは救いを求めていたのだけれど、結局真犯人であるペク先生を殺しても、ウォンモが笑ってくれるわけでもなく、娘と一緒に暮らせるわけでもなく、自分の人殺しの罪だけが残った。
救いというのは自分から引き寄せる事も、奪いに行く事もできないのだと、ただその手が差し伸べられたタイミングで自分が掴めるかどうかなのだということを、最後にクムジャは感じたのではないでしょうか。
日本だったら復讐すべきか否かに焦点が当たりそうだなぁ・・・と思ってみてました。近くて遠い国韓国。ロケ地がどこかは分かりませんが雪降る街がとてもきれいでした。