≪内容≫
20年前に別れた夫から届いた小説。
それは愛なのか、復讐なのか。
容赦なく引き込まれる“警告"のサスペンス!
壮絶な愛と復讐! 衝撃の展開!
主人公スーザンのもとに、20年前に別れた元夫のエドワードから、犯罪を題材にした自作の小説「夜の獣たち(ノクターナル・アニマルズ)」が届く…そしてそこから、現実世界の現在と過去、そして小説の世界、この三つの世界が交互に展開されていく。現実世界は、謎めいた愛憎ドラマ。小説の世界は、暴力的な猟奇殺人事件と復讐劇を描く壮絶なバイオレンス。センセーショナルな構成で観るものを刺激する第一級のサスペンス。
うーん。これは・・・結構キツイお話でした。
見る人自身が問われそうな感じ。
社会的な弱さとメンタルの弱さはどちらも弱い
元夫・エドワードは小説家志望だったが、結婚当時はまだ大学生で未熟だった。彼が大成するのを待つことに耐えられなくなった主人公・スーザンは、彼の子供を中絶し若くてイケメンで将来有望のハットンを選んだのだった。
そんな過去から19年後、スーザンの元に一冊の本が送られてくる。
エドワードが送ってきた小説「夜の獣」は、気弱な夫が妻と娘と三人で旅行に出かけている途中、煽り運転によって車が止められ、妻と娘が連れ去られ自分は置き去りにされてしまう。後日、遺体となって見つかった妻と娘の復讐を夫は遂げる・・・という内容です。
この罰とは、妻と娘を強姦した後に殺した罪に対しての罰だと思うのですが、恐らくエドワードを信じ切れず勝手に中絶し浮気し離婚し再婚したスーザンのことでもあるのかな?と。
エドワードも小説の中の夫も「弱い男」と位置付けられていた。
スーザンが別れたときのエドワードは成功もしていない財力もない浮気されて捨てられた男だったが、エドワードは小説を通して自分が強い男になったことをスーザンに示す。(たぶん)
スーザンは小説を読み切り、エドワードを食事に誘うが、彼は結局来なかった・・・・。
この映画は好き嫌いというより、価値観によって見方がどこまでも変わると思います。私はスーザンの芸術を愛しながらどうしても現実を見てしまう弱さに対してエドワードがキツイなぁ・・・と思ってしまいました。
「愛してるなら努力すべき、簡単に投げ捨てるな」というエドワードの言葉に対して、自分の愛した人が努力せず、簡単に投げ捨てるような人間なのだと言ってることに気付いてるのかな?それで愛とか言うの?って思って全然共感出来ない。
言っても話し合いにもならず、自分をひたすら美化するエドワードに対して余計に不安が募って浮気したんであろうスーザン。だからスーザンってもともとそんなに強くない。強いなら結婚した時点で腹を決めてエドワードと一緒に墓に入る覚悟だったと思う。
19年経って別れた妻に復讐することも、捨てた元夫の才能に飛びつくこともどちらも悲しく感じたらいいのか、タイミングって大事だねと思えばいいのか、この映画すっごくよく分からない!!自分の!感情が!分からなくなる!!私ってなに?宇宙ってどこ!?
人に頼りすぎるのも、人を神格化するのもいい結果を生まないな・・・というカッサカサの感想になってしまったけど、煽り運転のところとか、その犯人と夫の会話とかはすごく緊迫していてあっという間の116分でした。