≪内容≫
小さく狭い[部屋]で、5歳の誕生日を迎えたジャック(ジェイコブ・トレンブレイ)。ママ(ブリー・ラーソン)は、「この部屋の外にも世界があるの」と話はじめた。
閉じ込められてきた[部屋]で生まれ育ち、[部屋]以外を知らない息子に、本当の[世界]を見せるため、脱出計画を図るママ。息を殺して望む計画は、果たして成功するのか?そしてその先にある、衝撃の[世界]とは――!?
これ実話をベースにしてるってんだから怖いですよね。
実際は地下室だったようですが、今回は納屋です。納屋と言えば、「納屋を焼く」が映画化されますね。
納屋って・・・こう考えて見ると、確かに隔離された別世界への入口みたいに思えます。
広い世界に出るということ
納屋の中はこんな感じで、キッチンのとなりに浴槽があり、その隣からは壁にってトイレ、洗面所、ベッドと並びます。そして真ん中にテーブル。
息子・ジャックはここで生まれてここで大きくなったので、この部屋の中が全てだと思っています。SFみたい・・・。
ママであるジョイはジャックが5歳になり、言葉を覚えてTVに映る世界と部屋の中が異なることに薄々気づいてきたこのとき、部屋からの脱出を提案します。
ママはもともと世界を知っているから、部屋が異常であることを理解していますが、ジャックはここで育ったので世界が怖い。
ママ以外の良い人間を知らないのに、一人っきりで外に出て、最初に会った人に助けを求めなければならない。5歳にとっては大任務です。
だけどここから出れる唯一の希望はジャックだけなので、ママも必死に説得します。なんとか脱出したジャックは、男にバレて捕まるも懸命に叫び助けを呼ぶことに成功します。
これほんとうに出会った人が良い人で良かった・・・。
ママとジャックは保護され、ママのいうところの普通の世界にやってきました。
しかし、ジャックにとっては外の世界にはいろんなものがありすぎて、時間が足りないし、部屋の中ではずっとママと二人でいられたのに、外の世界でのママは色んな問題を抱えて笑わなくなってしまった。
ジャックは自分を7年間も監禁し強姦した男との子供であった。父親は娘が返ってきたことは喜んでも、そんなジャックを受け入れられない。
また、ママであるジョイも部屋の中ではママだけでよかったのが、外の世界ではジョイという個人としての生き方も考えるようになった。
生活費のためにテレビのインタビューを受けたジョイだったが、7年間のジョイの孤独な戦いは決死の日々だったにも関わらず糾弾されることにもなった。
部屋にいるときも、部屋から出ても苦しんでるママを見るのはとても辛かっただろうなぁと思います。
この映画の最後に部屋に戻る二人のシーンは「檻のなかの子-憎悪にとらわれた少年の物語-」のケヴィンがキャロルが殺された家に戻るシーンと重なりました。
どんな場所だろうが子どもにとっては故郷なんだよなぁ。という点では、この話もそうだった。
ジャックは賢いし、ジョイは優しくて、だからこそこんな困難に立ち向かえたのかな。それとも困難が二人を強くしたのか・・・
こういう映画を見ると、月並だけど自分が弱音なんか吐く資格あるんだろか?などと思ってしまう。素直に毎日を精一杯生きようと思う。