≪内容≫
閑静な住宅街にあるマンションの一室。バスタオル1枚で気まずそうに思い思いの場所に座っている男女8人。終始俯いている暗いニートの男、茶髪のフリーター、真面目そうなサラリーマン、工場勤務の太った男、メガネの女子大生、気の強そうな保育士、可愛らしい今どきのOL、大量のピアスを付け、痩せぎすの女。社会では友達関係にはなり得ない、バラバラな風貌だ。ここは「セックスがしたくてたまらない人たちが集まる」店。行為に及ぶまで、ぎこちないやり取りがあるが、一度してしまえば、欲望は気持ちいいほど剥き出しになっていく。しかし同時に、「やりたい相手」と「やりたくない相手」、それにともなう駆け引きや嫉妬など、それぞれの本音も露わになっていく。そんな中、ニートは女子大生に特別な感情を持ち始める。ぶつかり合う心と体、真夜中に途中参加してくるおかしなカップル、欲望渦巻く一晩は一体どこへ向かうのか―
なにこれ!!
っていう映画でしたwそもそも性欲ってなんやねん!っていう話というか、これに限った言葉じゃないけど、同じ言葉を使えば同じ定義で通じあえるわけではないんだよねっていう話しでした。個人的には喜劇チックでおもしろかったです。
性欲のカテゴライズは難しい
マンションの一室に集まったのは、男女各4人。この部屋に入れるのは「性行為がしたくてたまらない」という共通点を持った人間だけ。
すなわち、この8人は文字通り解釈すれば、winwinな関係で何も問題がないように思われる。
しかし、「性行為がしたくてたまらない」という結論こそ一致していても、そこに至るまでのプロセスは8人8様であるがために、目的は皆同じなのにすれ違ってしまう・・・。
男には男の文句があり、女には女の文句がある。
主催者側からすれば同じ欲望を持った男女4人ずつ集めて、タオル一枚で一室に押し込めばモーマンタイ!な計画だったが、実際は文句ばっかり言われる始末。
同じ欲望を持っているからといって同志ではない。
どこの部屋でも差別は生まれ、階級は生まれる。男女関係なく。
性を解放しよう!!!!というパーティーなのにお通夜レベルで沈む空間。右二人の主役陣に至っては、先生に怒られる生徒に見えてきますね。
なんだこの喜劇www
喜劇なんですが、すっごい人間味あるな~という作品でした。あ、そもそも喜劇自体がそういうものなのかな。
こういう場でも成長する人はいるし、人を好きになる人もいれば、マウンティングする人もいる。
夜のマンションの一室だろうが、昼の仕事の一場面だろうが、変わらないのは人間ですね。
私が見て感じたのは、性欲はきっかけとか道具であって、本心は別の部分にあるのかな?ということでした。満たされないこととか、理不尽なこととか、フラストレーションをぶつける理由を持った人たちというような。皆がそれをむきだしにしたら、それはぶつかるしかないよな・・・という切なくてすっきりする不思議な作品でした。