深夜図書

書評と映画評が主な雑記ブログ。不定期に23:30更新しています。独断と偏見、ネタバレ必至ですので、お気をつけ下さいまし。なお、ブログ内の人物名は敬称略となっております。

【映画】娚の一生~幸せになる方法を探すのが恋愛~

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≪内容≫

東京で忙しくキャリアを積み、辛い恋愛をしていた女性・堂園つぐみ(榮倉奈々)は、なにもかもに疲れ、仕事を辞めて祖母が暮らす田舎の一軒家でひっそりと暮らし始める。期せずして迎えた祖母の死をきっかけに、そこで独身の大学教授・海江田醇(豊川悦司)と出会う。生前、祖母から鍵を預かっていたと言う海江田。つぐみに好意を抱いたと、強引にその家の離れに住み込むことに。最初は歳の離れた男性の求愛に戸惑いを感じるつぐみだったが、次第に心を開いてゆく--。自分は幸せになれないと決め込んでいた女性と、恋愛を拒み、落ち着く家庭を得ることはないと信じ込んでいた50代の男性。二人のちぐはぐな生活と、ゆっくりと“人を愛する”ということに向き合ってゆく姿を描いた大人のラブストーリー!

 

これ観るの二回目なんですが、一回目は「いくらトヨエツでもおじいちゃんみたいで無理・・・」と思ってたのが、今回は「何これめっちゃええやん・・・(´;ω;`)」と180度手のひら返ししたんで、やっぱり恋愛ってタイミングですよね!!←

 

幸せになる方法を探すのが恋愛

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あんたっていやみだよね
努力家で周りの人にも好かれて
で、男で不幸になることでせこくバランスとってんだわ

 

榮倉奈々は「Nのために」でもそうだけど、こういう役がほんとに似合う。本当は辛いのに、彼氏にも友達にも誰にも言えずに秘めてしまう女性の役が。

 

そしてこのセリフ。一見きついけど、ここまではっきり客観的に言ってもらえると救いだな、と思ったりする。

 

付き合っていた恋人の不倫相手だったつぐみ(榮倉奈々)は、亡くなった祖母の家で祖母がしていた染物の仕事をしようと東京から帰ってきた。しかし、祖母の家の離れには、謎のおじさんが住んでいた。

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50代のおじさんが、なぜか自分にアタックしてくる。

しかも、関西弁バリバリでデリカシーもなくズケズケと自分の領域に入ってくる。厚かましい図々しいうざい、三拍子そろったおじさんだ。

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だけど、つぐみは一人だしおじさんの誘いについつい乗ってしまう。恋愛感情ではないけれど、傷付くことを言ってくるけれど、この人の言うことは自分が自分に対して思っていたことだ。

 

人は自分が「あたしなんか・・・」と言うと、「そんなことないよ」とか「そういう謙虚な君が好きだよ」と返す。人が求めてる自分は、自分が大嫌いな自分だった。

だけど、このおじさんは自分が大嫌いな自分を同じように嫌いに思ってくれて、叱ってくれる。この人となら、自分が好きになれる自分に変わろうとしても離れないでいてくれるかもしれない・・・。

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後半になってくると、二人の見る景色が同じ方向になっていきます。

トヨエツは常に前を向いていて、つぐみの方が横から前にかわります。映画ってこういうシーンで距離感とか心の動きが分かって楽しいですよね。

 

たぶん、周りの人はつぐみみたいな女性が強がっているのは分かるんですが、強がっているからこそ、その問題に踏み込んだら思っている以上に傷付いて立ち上がれなくなってしまうんじゃないかと思って言えない気がするんですよね。

 

だから、親戚の人やおばあちゃんは、つぐみにダメ出しするんじゃなくて「いい人がいたらすぐ一緒になるんだよ」とやんわり言うのかな。

 

自分では壊したくても壊せない「私なんか・・・」と卑下しちゃう癖。でもそこを変えなければ人生は変わらない。だからこそ、壊してくれる人がつぐみには必要で、おじさんにはおじさんなりにつぐみの当たり前にこなしていく日常が必要だった。

世の中には、色んなことがあって事情とか家庭とか色々あるけど、生まれながらに幸せになってはいけない人だけはいないと思う。でも、幸せになる方法なんて誰も教わらないし教えない。恋愛が二人一組がベターなのは、それを見つけることが恋愛だからなのかもしれない。