
≪内容≫
お互いに結婚していながら、惹かれあい愛し合うようになった笹本紗和と北野裕一郎。その一線を越えた関係はいつしか明るみになり、ついに二人は別れざるを得なくなってしまった。そして、紗和は夫とも別れ一人になった。あれから3年―。紗和は海辺の町で慎ましく暮らしていた。しかし、運命のいたずらか…。北野は蛍に関する講演を、ある街で行う事に。講演中、客席に目を向けたとき。そこには、紗和の姿があった…。
まるで「罪に濡れたふたり」のようなラスト。
当事者のどちらかが死なないとマジョリティを納得させることができないのかしら・・・と思ってしまう。恋愛が個人的なものだとしても社会的な影響力を持ってしまう以上、どちらも望むものを手にするのは難しいのでしょうか・・・。
罪は不倫か強欲か
ドラマ版はちょいちょい見てた程度でラストの不倫がバレてからの展開は記憶にありますが、なぜこの二人がこれまで惹かれ合ったかは失念。でも、惹かれ合う理由が語れるくらいなら不倫しないのでは?とも思ったりする。
なんかよく分からないけどどーーーーしても離れられないんです。という説明のない答えの方が自分的にはしっくりきます。語れるくらいしっかりしてるならまだ話し合う余地があると思ってしまいそうだし・・・。
さて、本作はW不倫がバレて上戸彩演じる笹本紗和は離婚し職も何もかもを失い海辺の町で再起しています。そこに斎藤工演じる北野裕一郎が講演にやってきた。チラシで北野の名前を見た紗和はもう二度と会わないという誓約を破り北野を呼びとめてしまうのであった。
離れても愛しあっていた二人は紗和の住むアパートで暮らし始める。紗和は海辺のカフェのホールスタッフとして働くが、そこのオーナーに自分の身の内を話してしまう。オーナーは妻が部下と不倫したことによって出世街道を閉ざされたことにより不倫を憎んでいた。元妻への苛立ちを紗和にぶつけるように街中に紗和たちの不倫の噂をばらまく。引っ越しても紗和たちの行いには石が投げ続けられる。
一方で、北野の妻は理解を示し紗和に譲ると離婚届にもサインをするが、彼女のたった一つの願いを紗和は断るのだった。
離婚しても裕一郎って呼んでいい?
あたしたち同じ仕事だからどこかでばったりってこともあるでしょ?
この願いを紗和は「ごめんなさい、嫌です」と言ってしまう。これが悲劇の始まりなのかもしここで「いいっすよ!」と言ってたらこんなラストにはならなかったのは分からないが、ラストの奥さんの混乱ぶりを見ると非常に切ない。
愛する人が傍にいてくれなくなるだけでなく、その人が自分と離婚してすぐに知っている女性と結婚すると聞くこと、そしてその瞬間から「北野さん」と呼ばなければならないこと。
もちろん紗和も結婚までものすごく待っただろうが、突然の再不倫→離婚→相手の再婚→名前さえ呼ぶな、というのはあまりに時間がないように感じました。紗和の嫌だという気持ちはよく言えば素直だけど、相手にも変わる時間というか心の時間というかそういう目に見えないけど非常に効果のある「時間」が必要なのだということ考えがあったらなぁ・・・と思って見てました。
私は不倫が悪いんじゃなくて、何となくちょっと「強欲」っぷりがいけないのじゃないかなーと思いました。聖人君子じゃないし、人間たくさんいるから結婚してようが恋人がいようが誰かを好きになるのはしょうがないと思うのです。
でも、それがシングルだったら影響力が少ないから問題ないわけで恋人がいる場合だと影響力が二倍になるわけじゃないですか。だからそこのところ普通の恋愛よりももっと気を配る必要があるし、二人でいるためにもっと客観的に見なければならないと思うのです。
でもそうやって客観的に見れるくらいならするかね?とも思っちゃうんですよね。普通の恋愛より浮気や不倫の方が二人の世界を作り上げてしまったりする気がするので。
好きになったらしょうがないよ、と思う。じゃなんで不倫が非難されるかってやっぱり人のモノを欲しがるのは七つの大罪の一つである強欲に含まれるから。それにしてもすっごい疲れそうな恋愛だな・・・と思って見てたら救われない最後。辛い!