《内容》
大学受験に落ち続けるギウは、“半地下住宅”で暮らす貧しい4人家族だ。ギウはある時、エリート大学生の友人から家庭教師のアルバイトを頼まれる。向かった先は、IT企業の社長パク・ドンイク一家が暮らす高台の大豪邸だった。“半地下”で暮らすキム一家と、“高台の豪邸”で暮らすパク一家。相反する2つの家族が交差した先に、想像を遥かに超える衝撃の光景が広がっていく…。PG-12
タイトルからして、パラサイト家族が全員この家に隠れ住んでると思ってたんですよ。タイトル通り地下室とかに籠ってね。だけど、“半地下住宅”の意味を知ったとき、私の予想は大きく裏切られました。
人生は無計画では破綻する
計画がなければ間違いもない
それに
最初から計画がなければ
何が起きても関係ない
内容は金持ちな家族に貧しい家族が寄生する話です。家族VS家族って感じが韓国っぽい。んで、貧しいほうの父・キムは「計画しなければ間違いもない」という信念の元流されるままに生きてるんですが、この無計画さって金持ちの家族もそうなんです。
だからどちらの家族も破綻した。
端的に言うとそういう話かな、と思いました。もう一つの家族もヤミ金に金を借りるという無計画さから破綻しました。
でもキムは地下で暮らす男には「これからどうするんだ?計画もなしに」みたいに計画性を問うんですよ。
人が計画性を失ったりそこに意味を見出せなくなるのは環境と諦めなのかな、と思ったりしました。
努力なしで手に入れたものは憎しみの原因になる
今回すごく思ったのがこれ。
最後、キムは社長を刺すんだけど、なんで刺したかって、努力なしで高収入を手に入れて、社長のお供になったことで、自分もそれなりに実力があると、自分は半地下にいてピザの箱作ってたときとは違うって思うようになってたんじゃないかな。
だから、社長に「社長も大変ですね」と同じ立場にいるかのように話してしまった。それに自分が後釜になるために追い出した運転手の行く末を気にしたり、無計画なだけに、一番この詐欺にのめりこんだのはキムだった。
だけど、社長はあくまで自分を運転手以上としては見ない。それに半地下で染みついたキムの匂いを「臭い」と言い続けた。
社長を殺せば、今までのような収入は得られなくなる。それに刺された娘を助けたいなら自分が持ってる車の鍵で勝手に病院に運べばよかった。社長を殺すことは、キムとその家族にとって何のメリットもなかったはずだ。
でも、キムは無計画だからお金を手に入れてどうしたいのかってことを考えてなかった。ただ、社長が血を流して倒れてるホームレスの匂いに顔を歪ませたときに瞬発的に生まれた怒りだけで刺したのだ。
上流階級の下流階級への態度への怒りだと思う。
だけど、刺した後、家の門を出ると魔法が溶けたみたいにキムは半地下の住人に戻ってしまった。この家の門から外の世界でのキムは半地下の住人で殺人犯だ。だからこそキムは地下室に戻ったのだ。
瀕死寸前の娘を置いて。
流されるままに生きる父親と、人に何とかしてもらおうと画策する妹と違ったのは、家族を守りたいという信念を持った母と、計画的な息子であった。
この二人は実刑を受け、元の場所へ帰ってくる。
本当に変わりたいと思うなら、他人任せじゃなくて自分で考えなきゃいけない、を体現するのが息子。人生の中で本当に大切なものを持つ強さを体現するのが母って感じでした。
些細なセリフにその人の人間性が詰め込まれてる。最初、いやな展開になりそうだな~と思ってたけどコメディ要素があるせいで最後までじっくり見れました。いろいろツッコミどころは満載だけど、やっぱソン・ガンホはかっこいい。