《内容》
1970年代のロサンゼルス。不可解な死を遂げた子供の母親が、不吉な警告を発する。しかし、それを無視したソーシャルワーカーのアンナと彼女の子供たちは、ほどなくしてある女の“泣き声”を聞いてしまう―。その日を境に数々の恐ろしい現象に襲われることとなった家族は、教会に助けを求めるが、そこで語られたのは、呪われたすすり泣く女“ヨローナ”の存在だった―。
絶対アメリカだろうな、っていうアメリカ映画特有の怖いのに面白い感がある映画でした。
でも中南米の伝承、ということで牧師さんらしき人がマラカスみたいなの鳴らすんですよ。シャカシャカシャk・・・
いやこれホラーだよね?
っていう、とっても怖くて面白い映画です。
悪霊に狙われる恐怖
ソーシャルワーカーのアンナは二人の子供を持つシングルマザーだ。子育てしながらの仕事で遅刻もしてしまう。そのことで上司から自分が担当している家を若手のドナに回されてしまい、アンナは自分はできる。もう4年もその家を担当していて信頼もあるし1人で大丈夫だと、啖呵を切ってしまう。
警官と二人で問題の家を訪問すると、その家の子どもが2人、一室に閉じ込められていた。アンナは二人が母親から虐待を受けていると決めつけ、母親の「子供を出さないで!せめて今夜だけは…」という願いを無視してしまう。
子供たちも怯えていたが、アンナは母親に怯えているのだろうと決めつけ「もう大丈夫」と声をかける。しかし、その夜二人の子どもは死んでしまう。悪霊ヨローナに連れていかれてしまったのだった。
子供を失った母親は、次はあんたの子どもを連れて行くように言っておいたわ!とアンナに告げる。
4年の信頼ってなんの話?ってくらいの展開である。
アンナはその言葉に涙をこぼすが、4年も担当していたアンナだから部屋を開けたのに、自分の意見は全く聞かず、子供を連れ去り、子供を守ることもなくやすやすとヨローナの手に渡したのだから、この女性の憎しみも納得である。
アンナの謎の自信満々というか傲慢さがこの映画の面白さ…というかアメリカのホラー映画の女性って謎に自信満々だったり唐突に相手を裏切ったり、相手を責めだすので、なんか怖さが半減します。
ヨローナと対決すべく、教会のつてで紹介してもらった神父の元にたどり着く。
神父、シャカシャカとマラカスのようなものを振って悪霊が近づいてるか確認する。
唐突に悪霊と戦うことになった挙句、作戦がうまくいかないと「ちょっと次の手考えてんでしょうね?」とアンナに詰められる。
ちょっと頼りないが、体を張って頑張るいい人である。
そもそもだが、ヨローナがなぜ悪霊になったかというと、イケメンと結婚し子供を2人もうけ、幸せの絶頂だったのに夫が若い娘と浮気したことで夫が大事にしていた息子2人を河で溺死させ、自らも自殺...という悲しい過去。
夫への憎しみから発作的に息子2人を手にかけたが、我に返って自殺したヨローナ。子供を連れ去るが子供に憎しみはなく、たぶん失った子供を取り戻す行為なのだと思う。
浮気してる男を連れ去ればいんじゃね?と思うのだけど、死んでもなおほしいのは浮気した男じゃなくて子供だよね、と思うと納得の映画なのでした。