《内容》
グラハム家の祖母・エレンが亡くなった。娘のアニーは夫・スティーブン、高校生の息子・ピーター、そして人付き合いが苦手な娘・チャーリーと共に家族を亡くした哀しみを乗り越えようとする。自分たちがエレンから忌まわしい“何か”を受け継いでいたことに気づかぬまま…。そして最悪な出来事が起こり、一家は修復不能なまでに崩壊。想像を絶する恐怖が一家を襲う。“受け継いだら死ぬ”祖母が家族に遺したものは一体何なのか…。
こういうがっつりオカルト系・・・大好きです!
ローズマリーの赤ちゃんを思い出したけど、実際ローズマリーの赤ちゃんにも影響受けてるようですね。
映像がトラウマ系&大量の虫が出てくるので、苦手な人は辛いと思います。
※本ブログで上記のような画像はありません。
納得の’完璧な悪夢’
グラハム家の祖母・エレンが亡くなり、一人娘のアニーは長年の因縁から解き放たれたと思っていた。
気難しいと思っていたエレンの葬式には名前もしらない人たちが多数やってきたため動揺したが、家族4人で祖母との別れから立ち直ろうとしていた。
なによりおばあちゃん子だった妹・チャーリーのケアを一番に考えていたが、チャーリーは兄・ピーターの運転の帰り道、首を落として絶命するのだった。
もともとピーターとうまくいっていなかったアリーだったが、今回の事件でさらにピーラーとの溝は深くなるばかり。
そもそもアリーは母・エレンの願いで子供を産んだらしいが、ピーターを奪おうとするエレンに対し妹のチャーリーを渡した過去があった。
さらにアリーは夢遊病で眠っているピーターとチャーリーの部屋に行き、自分と2人をシンナーまみれにしてマッチを擦った過去がある。
ピーターはそんな母に「なぜ産んだの?」と尋ねるが、アリーは「産みたくなかった。あなたを救うために」と意味不明なことを言って、またピーターを混乱させる。
その後、アリーはジョーンに教わった降霊術を真似てチャーリーを呼び戻そうとするが、ここから物語は最悪の恐怖へと加速していく。
実はアリーには兄がいたが、母が何かを自分の中に入れた、と言って自殺している。グラハム家は全員が何らかの精神病を患っており、唯一その血をひかないのは夫だけであった。
屋根裏に埋葬したはずのエレンらしき死体が放置され蠅がぶんぶんたかっているのをみたときも「なぜ警察を呼ばない?」と、至極まっとうな意見を言う。本作の関係者で唯一頼れる存在だ。
だが、それゆえに悪魔にとっては一番の邪魔ものであった。この一家、全員死ぬのだけど、起因しているのは全てアリーなのであった。
なんとか家族を救いたい。
ちょっと情緒不安定だけど、自分なりに家族を思って行動したアリー。だが、考えてみればチャーリーが死ぬきっかけになったのも、嫌がるチャーリーをピーターのパーティーに行くよう命じたからだし、夫が死んだのも「警察を呼ぶ」と言った瞬間、ノートを焼却炉にぶん投げたからである。
とはいえこの行為にアリーの意識はなく、悪魔にそそのかされた、というのが本作の見方だろうなぁと思います。
エレンとは距離を置いていた、というがピーターはダメでチャーリーを渡すという時点で、母との距離は置けていないし、悪魔の支配下にあったのだろう。
だが、アリーは夢遊病であった。そう、無意識で動くことができたのだ。
アリーはチャーリーの事故現場をミニチュアで作成するというピーターを追い詰めることに他ならない行動をしたり、やたらとピーターを怒鳴る。
これは悪魔がアリーとピーターの仲を引き裂くためであり、本心は夢遊病の行為として現れる。
アリーが無意識に2人と自分を殺そうとしたのも、現実世界のアリーは乗っ取られていて、しかもそのことに気づいてもいないのだが、無意識化ではよくないことが起きてるとわかっているからなのだ。
そして、エレンの目的も、兄の自殺も、いずれ自分の子どもたちに降りかかってくることをわかっていたので最初にみんなで死のうとしたのだろうと思います。
ちなみにエレンの部屋が空いてたり、ピーターがきょろきょろしたりするシーンがあるけど、この家って絶対教団が出入りしまくってるよな、と思う。ジョーンに電話を掛けさせるために絵の具を倒すのと一緒で、教団が出入りしてるとき、アリーをどこかへ動かしたりしてるな、と。
まるで、ピーターの顔面に群がる蟻みたいに、この家は最初から完全に蟻(教団)に喰い尽くされて崩壊寸前だった。
そして最後にとうとう崩壊するのだ。
最後の教団の女性と男性が素っ裸で部屋にいたとき、デジャブ感じたんですけど、あれです。シャイニング。
唐突ににこやかなおっさんおばさんがふくよかな裸体を晒してたたずんでいたら想像以上にびびります。そして、最後のアリーも。たぶん、最後の綱であった夫が死んで、すべて悪魔に乗っ取られたのでしょう。
ガチに怖い映画でした。この監督好きかもしれない・・・!