《内容》
名門大学を卒業後、うだつの上がらぬ生活を送っていた主人公・和彦。ある夜たまたま訪れた銭湯で高校の同級生・百合と出会ったのをきっかけに、その銭湯で働くこととなる。そして和彦は、その銭湯が閉店後の深夜、風呂場を「人を殺す場所」として貸し出していることを知る。そして同僚の松本は殺し屋であることが明らかになり…。
ウシジマくんの影響か、ラストのその先の地獄を想像してしまうのですが、もしこのラストで本当に終わったら幸せだと思う。
辿り着いたのは殺人者の道
百万回聞かれたことだと思うんですけど
東大まで行ってといて
なんでこんなことやってるんですか?
東大卒だが、一度も定職に就かずバイトだけやってきた30歳の和彦。
ある日、銭湯で再会した同級生の女性・百合にすすめられ銭湯のバイトを始める。同時面接にやってきた金髪の男と一緒に仕事を始めることになるが、早々にこの銭湯の裏の姿を見てしまう。
犯行現場を見てしまったために殺されそうになるが、店主の計らいで殺害現場の掃除をすることになった和彦。
最初こそ驚いていたものの、高給を渡されるとうっきうきで高級ディナーを予約し百合とデート。
掃除にやる気マンマンの和彦だったが、同期の金髪男・松本も同じことをしていると知り、嫉妬なのか店主に詰め寄る。
要領のいい松本と素直な和彦はなんだかんだうまくやっていたが、殺し屋の小寺が殺されてから状況は一転する。
殺害現場の掃除だけ、とはいいつつ犯罪の目撃者である以上、このヤバイ家業に片足を突っ込んでいるのに彼女を作り、ふつーのバイト感覚で生きている和彦に忠告する松本。
その忠告通り、和彦に掃除だけでなく殺しもやるか殺すかどっちかにしろ、と上から命令がくだる・・・
学歴より育ちの方がその人の個性を作ってると思います。
和彦は東大に行くほどの頭の良さを持っているが、中身は何も知らない子供、と言う感じで、純粋です。だからこそ自分がどんだけやばい状況に陥ってるか気づかない。ラストもそうですね。普通だったらああはならないだろ、ってとこも和彦は友達を襲った蛇を殺した、俺ってヒーロー!という単純な感じです。
対してずっと彼女や趣味など、大切なものを作れば弱みになることを知ってあきらめてきた松本。人の姑息さも汚さも知っている彼は、学歴はなくとも生きるためのIQは相当なものだと思う。
そんなあべこべな二人が出会い助け合って成長していく物語。
殺し屋なのにどこかコメディなのは、和彦の純粋さに有り、という感じです。何とも言えない独特な面白み、珍味みたいな映画でした。