深夜図書

書評と映画評が主な雑記ブログ。不定期に23:30更新しています。独断と偏見、ネタバレ必至ですので、お気をつけ下さいまし。なお、ブログ内の人物名は敬称略となっております。

【映画】ゆれる人魚~ポーランドのホラー音楽映画、人魚と人の禁じられた恋~

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≪内容≫

1980年代のポーランド・ワルシャワで、人間たちを捕食して生きる美しい人魚姉妹は海からあがりナイトクラブにたどりつく。ストリップやライヴ演奏を披露する大人の社交場で、ふたりは得意のダンスと歌を披露し、すぐにスターになる。そんななか、姉シルバーはベーシストの青年ミーテクと恋に落ちる。初めての恋に浮かれるシルバーだが、妹ゴールデンは、そんな姉を複雑な眼差しで見つめていた。人魚にとって、人間の男は“餌"でしかないからだ。やがてふたりの間に生じた緊張感は限界に達し、残虐で血なまぐさい行為へと彼女たちを駆り立てる……。

 

 ポーランドのホラー音楽映画とか、もうそれだけでおいしいのに題材が人魚姫だなんて・・・!ありがとうプライム!

 

禁じられた恋が辿る道はいつも悲しい

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  この映画、特に内容は説明する必要がないくらい、かの有名な童話「人魚姫」と同じ。別なのは設定が王子様ではなくてナイトクラブのベーシストであること。海から上がった二人の人魚姉妹、姉のシルバー(金髪)妹のゴールデン(黒髪)は、自分たちが人魚であることを隠さなかった。面白がったナイトクラブのオーナーは二人を雇いいれる。美声のデュエットと長い尾の美貌で一躍人気者となった二人。そんな二人を見ていたナイトクラブのベーシスト・ミーテクはシルバーに惚れこみ、彼女と心を通わせるが・・・。

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  二人は言葉を発さずともイルカの超音波のように二人だけの会話ができた。人魚は尻尾を切ると声を失い、人間に恋をすると泡となって消えてしまうのだ。

 姉の恋を不安に思う妹は何度も忠告をするが、愛する人と結ばれたい姉は尻尾を切り落としてしまう。

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  好きで好きでたまらないのに、ミーテクは自分が人魚だからキス以上のことはできないと言う。シルバーはミーテクと結ばれたくて車いすと松葉杖を使い声の代わりに下半身を手に入れた。

 この歌詞からきっと今までも恋をして、相手を殺してきたんでしょう。もうそんなことはしたくないと思いつつ恋してしまう姉のシルバー。

 しかし、ミーテクは尻尾を失い声も失くし松葉杖でやっとの姿になったシルバーを捨てあっさりと別の女性と結婚式を挙げてしまう。妹のゴールデンはミーテクを食い殺すように何度も姉に忠告するが・・・。

 

 こういう人間と妖精の類の物語っていつも人間側が身勝手なのね。

水の精-ウンディーネ-の記事を読む。

 自分とは違う女性を選ぶこと自体はしょうがないっちゃしょうがない。でもそれによって死んでしまうくらい、本当に言葉通り命をかけた恋なわけです。そうなるとそこに「責任」っていうのが恋とは別に生まれるのは必然と思うのです・・・。と、まあマジレスしてもしょうがないので、理想はやっぱりこれでしょう。

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 ドラえもん的仲人を連れてくる!

ゆれる人魚(字幕版)

ゆれる人魚(字幕版)

 

  人魚たちのデュエットすばらしく美声だし、サントラあったら迷うなぁ。こういうミュージカル映画もっと探し当てたいです。