《内容》
ある山間の寒村に伝わる風習。この村では、死者からくりぬいた顔を地蔵にはめ込んで弔う。くりぬかれた穴には白米を盛り、親族で食べわけるという。この事から、顔を抜かれた死者は“どんぶりさん”と呼ばれた―。スマホにメッセージが届けば、もう逃れられない。“どんぶりさん”があなたの顔をくりぬきにやってくる。脳髄をかき回されるような恐怖を覚える、ノンストップホラー。第23回日本ホラー小説大賞・読者賞受賞作!
この村では、死者からくりぬいた顔を地蔵にはめ込んで弔う。くりぬかれた穴には白米を盛り、親族で食べわけるという。
・・・怖すぎるだろwwwwwwwwwww
純粋なホラー小説
でも【鈍振村】に関してだけ言えば、村のマップまで載っているんですよ。まるでこの本を読んだ人を『この村に来させようとしている』みたいに」
冒頭のシーン、事件の始まりは「リング」を彷彿させる描写で最初から「来るぞ来るぞ・・・」感があった。
ただ、「リング」が以外と哲学チックかつ伏線ありまくりの考察ホラーだったのに比べて本作は「こっくりさん」や「学校の怪談」のような都市伝説に近い。映画「犬鳴村」に近いかな。
「犬鳴村」のパッケージ、引きで見ると人間の顔になってて凝ってますよね。
さて事件を追うのは下請けの制作会社の新人・朝倉三緒と入社三年目の血気盛んな袋田巽の二人。頭脳派の朝倉と肉体勝負な袋田は社内でもあまり仲が良くなかったため2人きりのチームに配属されると文句やゴタゴタが勃発するのだが、事件を追っていくうちに二人の"相棒"感は強まっていく。
だが、被害者を事前に見つけられて保護してもいつの間にか「顔をくり抜かれて」いる。自分たちの目の前にいたのに、ちょっと目を離したすきに何者かによってくり抜かれ、そして別の場所で同じように顔をくり抜かれた死体が上がる。
そのうち被害者のスマホには文字化けした何かのメッセージが届いていることが分かった。そして勝手に移動する一つの雑誌。
その雑誌を発行した会社はすでに無い。しかしその会社に残っていたPCにそのおぞましい風習を行っていた村にインタビューをしていた記録を見つける。
事件へと迫る朝倉の元にメッセージがくる。
それはなんと文字化けした例の届いたら100%死ぬメッセージであった・・・
最近のホラーって"ただ怖い"っていうのがあまりなく、何でも+要素がついている気がしてたので久々にシンプル怖い本読みました。でもさ、この風習を思いついた時点で勝ち戦だと思うのですよ。だって、気になりすぎるし怖すぎるし、なんなら"ありそう"でしょ?これが才能なのか・・・と思った夜でした。