深夜図書

書評と映画評が主な雑記ブログ。不定期に23:30更新しています。独断と偏見、ネタバレ必至ですので、お気をつけ下さいまし。なお、ブログ内の人物名は敬称略となっております。

【映画】スケアリー・アパートメント~苦しみを消さない限りそこから逃げてもついてまわる~

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《内容》

1976年、より良い生活を求めて田舎町から大都会マドリードのアパートメントに越してきたオルメド家。新生活に心を躍らせる両親を尻目に子どもたちはどこか不穏な空気を感じ取っていた。そんなある日、末っ子のラフィが突然、アパート内で行方不明になってしまう。そして次々に起こる奇妙な出来事の数々がオルメド家を襲いはじめるのだった。大都会で生きるために新しい家に引っ越した家族の夢が、徐々に悪夢に変わっていく

 

 

マドリードが舞台のせいか小道具やら服やら家具やらがレトロおしゃれでかわいかった。こういう地縛霊的なものって土地を離れてお祓いしたらOKみたいな気がするんだけどついてくるって怖いよね。

 

あなたたちを待ってた

 

家を売って逃げたとしても意味がないのよ
その苦しみを消さないとついて回る

 

 オルメド家は田舎からマドリードに引っ越してきた。中古のアパートを借り、両親は意気揚々としていたが子供たちは田舎での交友関係を惜しみ前向きではなかった。オルメド家は祖父と父、母、長男、長女、次男の5人で暮らしていた。

 

 両親は新しい職に就き、長男は職探し中、長女は客室乗務員を目指しながらも祖父と小さな末っ子の面倒を命じられていた。たった一人で自由に動き回る二人の面倒を見るのだが、ちょっと目を離したすきに弟が忽然と姿を消してしまう。弟が見ていたはずのブラウン管テレビの中では奇妙な老婆の人形が喋りつづけていた。

 

 長女は両親からキツく叱られるが、それより大切な弟が攫われてしまったことに恐怖を感じていた。弟がいなくなる前も部屋に閉じ込められたりガスの火が激しく燃えたり奇妙な現象が起きていたからだ。

 

 一方、職探し中だがふさぎ込んでいる長男の部屋に向かいの窓から手紙が送られる。孤独だった彼にとってその手紙は嬉しく何度かやり取りを交わしたが、いなくなった弟について手紙が語りかけたとき、恐怖が部屋の中だけでなく外からやってきていることも知るのだった。

 長女は自分のお腹についた謎の痣に気付き、この家なのかどこからなのか、とにかく"良くないこと"が起きていると悟る。前の住民の情報を聞きつけ歴史を紐解くと、そこには幽閉され一人孤独に生きていった一人の人間に辿り着く。

 

 その人が欲しがったのは小さな子供。ではなぜ末っ子は帰って来た?そう、答えは長女だけが知っていた。

 

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 霊も人も無差別なのが怖いですよね。病気もそうだしいじめもそうだけど"原因不明"なことの怖さ。人に危害を加えるほどの未練や執着が生まれた背景も絶対人なのに、それの尻拭いをする人はまったくの他人だったりする。理不尽だけど生まれたときから世界は理不尽なのに、どうしていつまでも慣れないんだろうか・・・と少し落ち込んだ。