深夜図書

書評と映画評が主な雑記ブログ。不定期に23:30更新しています。独断と偏見、ネタバレ必至ですので、お気をつけ下さいまし。なお、ブログ内の人物名は敬称略となっております。

【映画】余命10年~あと10年後に死ぬことが決まっていたら何をしたらいいんだろう~

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《内容》

数万人に一人という不治の病で余命が10年であることを知った二十歳の茉莉。
彼女は生きることに執着しないよう、恋だけはしないと心に決めて生きていた。
そんなとき、同窓会で再会したのは、かつて同級生だった和人。
別々の人生を歩んでいた二人は、この出会いをきっかけに急接近することに―もう会ってはいけないと思いながら、
自らが病に侵されていることを隠して、どこにでもいる男女のように和人と楽しい時を重ねてしまう茉莉。
―「これ以上カズくんといたら、死ぬのが怖くなる」。思い出の数が増えるたびに失われていく残された時間。二人が最後に選んだ道とは……?。

 

レビューを見て、すっごい原作読みたいなぁと思いました。

そしたらなんとamazonprimeReadingで0円だった…。即DLしました。アマプラ会員になると無料で読めます。

この手の話は、20代の頃は全然響かなかった。生きることが当たり前だと思ってた。だけど、年を重ねて生きる意味もそうだけど、死ぬことにフォーカスしたとき、初めてこういう話が響いてきた。

 

余命10年と言われたら

 主人公の茉莉(まつり)肺動脈性肺高血圧症という指定難病にかかり、長期入院となる。そしてこの病気の10年生存率は極めて低く余命10年であることを知る。

 病気のため大学も中退扱いとなり、周りが就職活動をして進路を決める中、茉莉は何もできずにいた。

 

 面接を受けても持病があるというと、治るか治らないか、という話になってしまう。治らない病を抱え、さらに余命まで知っている茉莉にとって10年間を”普通”に生きるのはものすごく難しいこととなってしまう。

 

 そんな中、同窓会で再会した和人は家族間がうまくいっておらず、同窓会の数日後に自殺未遂をしてしまう。生きたくても生きられないことが分かっている茉莉にとって和人の行いは茉莉をひどく傷つけることとなる。

 

 

先生、特効薬は見つかった?

あたしの身体実験台に使っていいよ

 

 

 生きたい茉莉と死にたい和人が出会って、二人は恋に落ちる。だけど、茉莉は自分の病のことを和人に伝え別れを告げる。これ以上一緒にいると、死ぬのが怖くなる、と言って…

 

ねえお母さん
あたし もっと生きたい


もっとさぁ 旅行も生きたいし
友達とだって遊びたい
仕事だって結婚だってしてみたいよ

 

親孝行だってまだ全然できてないし
迷惑ばっかりかけてごめんなさい

 

死にたくない
死にたくない

 

 入院した茉莉は管を巻き付けと酸素マスクをしてベッドに横たわる。傍らにはバイタルのモニターが一定の音を刻んでいる。茉莉は目を閉じて、あったはずの未来を夢見る。和人とデートをして結婚式をあげて子供を産んで、そして…

 

 四人家族の末っ子で、空気を読んでしまうのでしょう。自分のことだけど、泣きだしてしまった親や心配そうな姉を見て泣いたり弱音を吐くことができなかった茉莉。だけど、死にたくないよね、好きな人ができて、その人とずっと一緒にいたいよね…そう思って茉莉が泣くシーンは一緒に号泣してしまいました。

 

 余命10年と言われたら…そんなことを考えてみたんですが、余命は病で判断するけど健康でいたって事件に巻き込まれたり不慮の事故にあう可能性もあって10年生きるかなんてわからない。これはキミスイで語られたことだけど、生きるってことは当たり前じゃないんだよな…

 私も同じように、死ぬのが怖くなくならないように大事な人は作らない、って思ってしまうと思う。

余命10年

余命10年

  • 小松菜奈
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 死にたくないよね…