≪内容≫
女性を誘拐し、皮を剥いで殺害する連続殺人事件の捜査を任命されたFBI訓練生のクラリス。彼女に与えられた任務は9人の患者を惨殺して食べた獄中の天才精神科医レクター博士に協力を求め、心理的な面から犯人に迫ることだった。レクター博士は捜査に協力する代償に、彼女自身の過去を語らせる。息詰まる心理戦の果てに導き出された答えとは──?
久しぶりに二時間ずっと楽しかった。
やっぱ名作ってすごいな。
注※グロイ画像あります。虫が嫌いな人はお気をつけください。
名作ってキャラ立ちがすばらしい
獄中の天才精神科医レクター博士。
警察では解決できない連続殺人事件。その解決の一手に上がったレクター博士は気難しい人物で面会に来た人物が誰であろうと気に食わなければ話さない。そんな博士との面会へ命令されたのはFBI訓練生のクラリスであった。
こんなにキャラ立ちしてる映画はミレニアムシリーズ以来かも。
有名なのはハリウッド版のこちら↓かもしれないけど、私は上の2009年のスウェーデン映画の方を観て満足しました。
ヒロインのリスベット・サランデルがめちゃくちゃかっこよくて大好きな映画です。
内容はかなり酷だし、三部作なので長いのですがめちゃくちゃオススメです。
やっぱスウェーデンって音楽も映画も暗美しい感じがして好きだな・・・。
さて、グロイ画像出ます。
遺体の喉に詰め込まれていたのはマユでした。
まあ、ジャケット写真の口元を蛾が覆っているわけだから、ネタバレでもなんでもないのですが、ちょっと気持ち悪かったですね・・・。
レクター博士の雰囲気と、皮剥ぎ男に意識が集中していて、虫のことなんかさっぱり忘れていました。
クラリスの美しさとその瞳の奥の恐怖心に興味を持った博士はヒントを小出しにしていきます。
FBIや警察に勤める人というのは、正義感が強いとか、弱い人を助けたいとか、過去に警察に助けられたとか、親戚に警察の人がいるとか、そういった理由が大半だと思います。彼女も例に漏れず、父親が警察官でした。母を亡くしたった一人の家族だった父は強盗に射殺され、彼女は孤児になる。
そして彼女は預けられた牧場で子羊の悲鳴を聞いたのでした。
タイトル「羊たちの沈黙」というのはここにある気がします。もちろん羊が表すのは語ることの出来なくなった被害者たちでもありますでしょう。
クラリスは屠殺に怯える子羊を逃がそうとゲートを開けるが、子羊達は全く動かない。結局クラリスは子羊の悲鳴を聞いたけれど、助けることは出来なかったのだ。
その悲鳴を実際に聞いていない第三者が「でもあなたは助けようとしたじゃない。」と言ったところでクラリスに芽生えた影は消えない。
自分の耳に届いた声に答えることができないというのは、たやすく割り切れるものではないでしょう。
レクター博士もいいキャラですが、クラリスもすごく魅力あふれるキャラクターです。潤んだ目で泣きそうになりながら牧場での体験を語るクラリスに、観ているこっちも泣きそうになります・・・。
こういう映画って犯人より警察側がメインで動くのはセオリーなのかもしれないんですけど、それにしたってもうちょっと犯人に語って欲しいとか思っちゃう私。
金田一みたいに犯人に動機とか、こっちがつけていた目星が当たってるのかとか喋って欲しいと思うのですが、そしたら筋が分かんなくなっちゃうんですかね。盛り込み過ぎちゃうというのか・・・。
でもそれでも面白いと感じるのはやっぱりキャラクターの強さかなぁと思います。
博士には犯人の目的もお見通しなわけですが、それは博士自身が被害者であり加害者であるからなのでした。
現実と空想、想像と体験、そのどちらも潜り抜けてきたからこその異次元的洞察力。それに選ばれるクラリスというのはやはり人並みはずれた何かがあるのでしょう。
これはグロいけど、つまらない時間が一秒もなかった。そういう映画って稀有な存在だと思うので、観てよかったと心から思いました。
でもそのおかげで、レクター博士シリーズを追いかけるはめになりました。笑