深夜図書

書評と映画評が主な雑記ブログ。不定期に23:30更新しています。独断と偏見、ネタバレ必至ですので、お気をつけ下さいまし。なお、ブログ内の人物名は敬称略となっております。

【映画】レッド・ドラゴン~目にガラスを埋め込まれた女の死体と、盲目の女~

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≪内容≫

天才精神科医、レクター博士(アンソニー・ホプキンス)が、連続猟奇殺人犯であることを見抜き、重症を負いながらも彼を逮捕したFBI捜査官グレアム(エドワード・ノートン)。しかし、精魂尽き果てた彼はFBIを辞職、妻子ともに隠遁生活を送っていた。

 

ハンニバルシリーズの公開順は

「羊たちの沈黙」→「ハンニバル」→「レッド・ドラゴン」→「ハンニバル・ライジング」だそうです。

前回の「ハンニバル」の記事で同じ人にクラリスを演じてほしいと書いたんですが、今回のFBI捜査官はクラリスではなく、グレアム(♂)。

レクター博士を牢屋に送った人間です。

 グレアムとレクター博士。勝つのはどっちか。

 

※グロ画注意です!

 

似通った二人の決定的な違い

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 さて、今回の残虐な事件は一家惨殺だけには留まらず、その家の妻の目には死後ガラスの破片が埋め込まれていた。犯人は家中の鏡を割り、その破片を使ったのだ。

 犯人は妻を強姦し、その光景をすでに息絶えた家族達に見せつけた。両親のベッドサイドの壁に残る血の跡、子供たちのベッドについた血とそこから引きずられた跡が、グレアムに事件当日の様子を語りかける。

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 グレアムはレクターを捕まえるほどの想像力を持ってして事件解決に挑みます。

 すでにFBIが捜査したはずの現場からは情報が届いているはずですが、彼は自分の足でもう一度その場に赴く。そして彼らが取りこぼした小さなサインを拾っていく。

 彼の想像力を支えているのはただの直感ではなく、丁寧な行動なのだと思います。

 一見意味のない行動と見えるもの、何のメッセージ性のない欠片、それらの蓄積がある時にグレアムの中で弾ける。

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 レクターは自分を捕まえたグレアムを認めています。

 君と僕は似通っている、だから君は僕を捕まえることができた、と。

  レクターはグレアムと事件について話し合う一方、犯人とコンタクトを取ります。これは成功し、犯人からの手紙が彼の元へ届く。

 レクターは記事に「人喰い魔」と書かれ犯人は咬みつき魔」と評されている。犯人はこの"あだ名"を大変遺憾に思っていた。

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 現場に残された貴重な情報である歯型。

 これが入れ歯なのですよ。

 彼は犯行にはこの歯を使い、通常は綺麗な白い入れ歯を使う。

 では、この汚い歯の源はなんだろうか。

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 私はこのおばあちゃんの歯だと思うのですよ。

 前歯の二本と下の歯の隙間の三角地帯が歯型にそっくりじゃないですか?

 犯人は祖母にいびられて育った。愛のない言葉に傷付き、彼は自分自身を否定せずには生きられないようになる。その結果が自分と、もう一人の自分を産んだ。

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 これがタイトルにもある「レッド・ドラゴン」なわけですが、私には犯人自身がレッドドラゴンになりたいのか、レッドドラゴンを絶対神(祖母)と見ているのか、の違いが分からないのですよね。

 でも、wikiにはこうあるので

殺人鬼は「赤き竜」レッド・ドラゴンを自分と同一視し、いつかは自分も竜になるのだと信じて凶悪犯罪を重ねていた。(wikipediaより) 

 殺人行為のときには 「レッド・ドラゴン」になっていたわけです。

 そう考えると、目にガラスの破片を入れたのも、レッド・ドラゴンを見るためと腑に落ちますね。

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 ついに犯人を見つけたグレアム。

 

怖いのはここからなんですよ。

ラスト10分がメインみたいなもんです。

いや、もちろんめちゃくちゃ面白かったんですよ。110分間。正直前作の「ハンニバル」よりすこぶる面白い。「羊たちの沈黙」と同じ構図だからかもしれない。(クラリスほどレクターに依存はしていないが)

 

でもね、正直「羊たちの沈黙」のラストよりこっちのラストの方が残る。

なぜなら怖いから

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 最後のシーン泣いた・・・。