深夜図書

書評と映画評が主な雑記ブログ。不定期に23:30更新しています。独断と偏見、ネタバレ必至ですので、お気をつけ下さいまし。なお、ブログ内の人物名は敬称略となっております。

【映画】カメラを止めるな~笑いと恐怖が紙一重であることが証明された面白い映画~

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≪内容≫

とある自主映画の撮影隊が山奥の廃墟でゾンビ映画を撮影していた。本物を求める監督は中々OKを出さずテイクは42テイクに達する。そんな中、撮影隊に本物のゾンビが襲いかかる!大喜びで撮影を続ける監督、次々とゾンビ化していく撮影隊の面々。“37分ワンシーン・ワンカットで描くノンストップ・ゾンビサバイバル!”を撮ったヤツらの話。

 

 話題作ってどーーーしても「なんぼのもんじゃーい!」っていう先入観が入ってしまいますよね。私も見た目からしてホラーものだと思ってたんですが、コメディですwシュールというか、邦画ではあんまり見たことないスタイルでした。ちょっとスペインとかのクレイジー感があるww

 

アドリブと無茶ぶり

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  パッケージとか、最初のヒロインの白いタンクトップ×デニムショートパンツ×血からしてB級のちょいエロ要素ホラーかと思うじゃないですか。(山の中とか白タンデニショとか全世界あるよね)

トライアングル(字幕版)

トライアングル(字幕版)

 

 「トライアングル」の記事を読む。

冒頭はいわくつきの廃墟でゾンビ映画を撮ることに情熱をかけている監督が若手俳優たちにダメ出しをしながら撮影していると本物のゾンビがやってきて一人一人ゾンビと化する緊急事態に陥るもクレイジーな監督がカメラを止めない・・・みたいな構成で、実は本物の映画を撮るために本物のゾンビを呼びだす悪魔教みたいなことやってました!ふはは、これが俺が望んだ本物の映画の為の本物の恐怖だぁ~!というオカルト要素もある内容です。 

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  ですが、実際は本当にハプニングが起こっていて、スタッフ全員が必死にアドリブでカメラが止まらないように駆けずり回っていたんですね。

 冒頭の恐怖で口を押さえる女優は実は笑いをこらえるためだったりして笑いと恐怖が紙一重であることが証明された面白い映画です。

 監督は熱い思いを持っていながら、それでもお金にも数字にもならないものは採用されない。逆に嘘だろうが生意気だろうが数字や人気を持ってる俳優の方が薄っぺらくてももてはやされる。

 そういうテレビ業界の内部事情?みたいなものが見えます。

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  これは制作サイドから無茶ブリを要求された監督がそれに応えようと努力するが、当日俳優が事故に会い時間に来ない、しかも俳優だけでなく同乗していた女優も来ない、だけど生放送だし時間はずらせない・・・・どうする!?というのが軸で、生意気な俳優や世話の焼ける俳優たちをなだめすかし、下手に出て対処するなんという泥臭いこともしながら、やっぱり映像が好きで、そのために絶対に完遂しようとする頼れる監督その場その場で常にハプニングと対処に追われるスタッフ空気を読んで動く俳優陣・・・という「ああ・・・生放送ってこういう連携プレイで出来てるんだなあ、テレビってすげー」と思う内容です。

 

 なので、賛否両論別れるのは、舞台裏は見せるもんじゃないっていう美学を持っている人と裏まで見たいって人がいるので当然かなぁと思います。

カメラを止めるな!

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  でも、個人的には映画に熱い思いを持つが故に人とうまくやれない娘と、一見ヘコヘコして映画に対して情熱があるとは思えない監督(親父)の対比とか、適当感溢れる若手が本番になると空気を読むスキルをいかんなく発揮するとことか、一つの作品を作るってその人の一面だけではできないものなんだなぁ、という人生的なことまで作られていてただの裏事情話ってだけでなくいい映画だと思いました。