人気作家・伊坂幸太郎の同名小説を映画化したミステリアスな青春ドラマ。仙台に引っ越して来た椎名は、出会ったばかりの隣人・河崎から奇妙な計画を持ち掛けられ…。濱田岳をはじめ、瑛太、関めぐみら若手人気俳優が共演。
すごく記憶に残っている映画です。だけどもう一回見てみると細部はやっぱり忘れてて、切なさがアップデートされてしまいました。
外国人と日本人とコインロッカー
大学進学を機に仙台にやってきた椎名(濱田岳)は隣人の河崎(瑛太)に、隣人のブータン人のために広辞苑を本屋で盗む計画を持ち掛ける。
変な奴、と椎名は思うが、あるときバスに乗れなくて困っている外国人に出会う。異国の言葉で必死に話しかける彼女をすべての人間は無視した。もちろん自らも。そんな自分に負い目もあり、本屋を襲う計画にのった椎名は徐々に河崎の物語に入り込んでいくこととなる。
バスで困っている外国人に手を差し伸べた女性は、河崎が近づくなと言った女性でペットショップの店長だった。本屋襲撃のあと、彼女から河崎と河崎が仲良くしている人物の話を聞く椎名。
そして、そこで語られたのは二年前のペット惨殺事件であり、その事件にかかわっているのが琴美という女性であることを知る。
河崎くんとブータン人と琴美ちゃん
彼らには彼ら三人の物語があるの
君は彼らの物語に飛び入り参加してる
河崎はブータン人は琴美の恋人で、今は失意の底にいると言う。そして、ペットショップの店長は椎名を助手席に乗せ、河崎を尾行する。
細く暗い道を進む河崎に気づかれないように大通りで河崎の車が戻ってくるのを待つ二人が見たものは・・・
神様を閉じ込めてさ
なかったことにすればいい
こうすれば神様にばれない
この物語はアヒル(外国人)と鴨(日本人)が神様を閉じ込める、という表現が出てくるのですが、切ないのは自分のやった悪事を隠すために神様を閉じ込めたから、ほかの人の悪事も見えなくなり、悪事だけでなく善行も見えなくなるから救いがなくなる・・・というところですかね。
重力ピエロもそうだけど、この人の作品は人間が作った裁きシステムの限界を感じる。
それとももう少し待っていたら神が裁きをくれたとでもいうのだろうか?と言いたくなる作品。切ないの一言しか出てこない・・・。若さゆえの正義はどうしてこんなにきれいで残酷な結果なのだろうか・・・。
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