≪内容≫
「おまえは悪魔の申し子だよ」狂信的な母、スクールカーストの最下層…悲劇はその夜、訪れた。巨匠キングの鮮烈なるデビュー作にして、三度の映画化を経た永遠の名作。
この表紙はクロエ・モレッツだと思うんですが・・・こんな美少女がいじめられっこのキャリーとは・・・ちっと無理あるなぁ・・・と思っちゃう。
映画はこのクロエちゃんver見たんですけどね、かわいすぎてね・・・ちょっとほんとかわいすぎた。ネットで見ると1976年版の方が好きな人は多そうです。
いじめが生む惨劇
でも自分の行動が他人を傷つけていることに気づかないのは、なにも子供ばかりじゃないわ!人間はいつまでたってもよくはならない、ただ利口になるだけよ。利口になると、蠅をつかまえて羽をむしりとることをやめないけれども、羽をむしりとるためのもっとましな口実を考え出すようになるわ。
キングの小説ってこういうグサっとささる言葉がいたるところに散らばってる。本当にそう。いじめをやめよう、あの時は子供だった、あの頃はまだやさしさを覚えていなかった、反省、後悔・・・果たして今はその頃より良い人間になっているのか。
ただ、人を納得させるだけの言葉を覚えたのか、自分や他人をだます都合のいいやり方を学んだのか、過去を正当化するための今を生きてるのか・・・生きてる人間はどんどん利口になって過去を飾る材料を蓄えて知りたい人間にデコレーションしたものを渡せるけど、そのときに死んでしまった人間は何も語ることはできないのだ。
さて、この物語「キャリー」は狂信的な母親に女手一つで育てられたキャリーが生理の出血を気に隠された力を解放し全てをぶっ壊すお話である。
高校生になるまで初潮を知らずに生きてきたキャリーと、すでに初潮なんぞ当たり前でありそれらは親がすでに子に教えるものとされている常識が、キャリーをあざ笑う。
体育の授業のあとのシャワー室で突然生理による出血が始まったキャリー。何も知らない彼女は生命の危機かのように呆然としていたが、それは女性特有の生理現象であり、何もおかしいことはなかった。
今までの生活の中でキャリーはあらゆることを我慢してきた。狂信的な母親がその狂信ぶりで町の人たちから嫌われていることも、キャリー自身に強いる儀式のせいで、彼女がクラスメイトから白い目で見られることも、世間的なことを何も教えない母親のせいで自分が無知で笑われることも。
しかし、「血」はそんな彼女の限界を超えた。初潮は女性にとっては大人の一歩である。キャリーは初潮をきっかけに彼女自身の将来を考え始める。いつまでも、母親に隠されて世間からはみ出て生きるわけにはいかない。生きてはいけるけど、そんな人生はいや。もしみんなとうまくやっていきたいなら自分を変えなくてはならない・・・。
- 作者: スティーヴンキング,Stephen King,永井淳
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 1985/01/29
- メディア: 文庫
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そんなキャリーの頭上にもう一つの「血」が流れた。果たしてキャリーは悪魔の申し子だったのか。それとも彼女以外の人間が彼女を悪魔にしたのか。